ネガティブキャンペーンは違法か?誹謗中傷との違い

Politician: Man With An Ace Up His Sleeve

最近、ネガティブキャンペーンという言葉を聞く機会が多くありました。

それは、昨年2016年にトランプ大統領とクリントン大統領とのアメリカで大統領選挙が行われていたことと関係があります。

ネガティブキャンペーンでは、相手のことを悪口をいったり過去のスキャンダルを暴いて品位を下げる行為、人格を攻撃することで疑わせる行為、それらが容認されているように思えます。

これはいったいどうしてなのでしょうか?

ネガティブキャンペーンが誹謗中傷や名誉毀損にならないのかが問題です。
そこで今回は、ネガティブキャンペーンに違法性がないのか、誹謗中傷との違いはなんなのかについて、解説します。

1.ネガティブキャンペーンとは

そもそも、ネガティブキャンペーンとはいったいどのようなものなのでしょうか?

これは、もともとは選挙活動の1つの方法です。選挙を行うとき、基本的には相手に対する自分の優位性を強調する必要があります。ただ、自分を優位にするためには、自分の良いところを主張するだけではなく、相手の悪いところを主張することでも可能です。そこで、選挙中に相手の悪いところを挙げて、それと比べて自分の優位性を主張するというネガティブキャンペーンが行われるようになったのです。

アメリカの大統領選などでは、よく行われるものです。日本にはこうした文化があまり浸透していないので、違和感を感じる人も多いでしょう。

ただ、ネガティブキャンペーンというとき、選挙活動以外の場面にも広がりを見せています。最近では、相手をおとしめる言動をして自分の優位性を強調しようとすることの全般をネガティブキャンペーンという言葉で括ってしまおうとする風潮もあります。

このように、ネガティブキャンペーンの幅が広がってくると、それが許される範囲のものかどうかが問題になってきます。

2. アメリカの大統領選とネガティブキャンペーン

過去のアメリカ大統領選では、多くのネガティブキャンペーンが行われています。最近記憶に新しいのはトランプ氏とクリントン氏の大統領選でしょう。

ここでは、クリントン氏がトランプ氏に対し「人種差別主義者」や「無知」「納税義務を果たしていない」「女性蔑視者」などと主張してネガティブキャンペーンを展開しました。これに対し、トランプ氏はクリントン氏に対し、「ウソつき」「腐敗した政治家」「破綻している」「健康問題」「私用Email問題」などと主張して、やはりネガティブキャンペーンを展開します。

また、古くは、1964年には民主党のリンドン・ジョンソン大統領が共和党のバリー・ゴールドウォーター上院議員に対して行ったネガティブキャンペーンが有名です。
当時は東西冷戦の最中で、アメリカとソ連の間で核戦争の危険性が指摘されていました。

そのとき、ジョンソン大統領は、ゴールドウォーター上院議員がソ連への強攻策をとっていたことを利用しました。具体的には、幼い少女が野原で花びらの数を数えながら摘んでいるときに、その少女の声と核ミサイル発射のカウントを重ね合わせて、最終の爆発のシーンで終わる、という衝撃的なテレビCMを流したのです。

このことによって、実際にゴールドウォーター候補は大敗してしまいました。

また、オバマ氏とロムニー氏の2012年の選挙では、オバマ氏はロムニー氏がペットの犬を車内に入れず、屋根に置いた箱の中に閉じ込めたまま10時間以上運転したことを取り上げて、ペット虐待と報じました。このとき、ロムニー氏は「オバマ氏は少年時代にイヌを食べていた」と主張し返しました。

このように、アメリカ大統領選では、お互いがネガティブキャンペーンを繰り返してきた歴史があります。

3. 誹謗中傷とネガティブキャンペーンの違いとは?

それでは、単なる誹謗中傷とネガティブキャンペーンにはどのような違いがあるのでしょうか?

もともとの大統領選の場合には、お互いが公人であるということが大きいと言えます。日本でも、名誉毀損の成否を決めるとき、事実が公共の利害に関することであり、公益目的で内容が真実である場合には、違法性が阻却されると考えられています。そこで、アメリカの大統領選でも同じことが言えるでしょう。

大統領になる人についての情報なので公共性がありますし、目的は適切な大統領を選ぶためという公益目的です。また、ネガティブキャンペーンは根拠を持って行われているので、真実性があります。そこで、違法性が認められません。

ただ、ネガティブキャンペーンという言葉が一人歩きして、公共性のない事柄にまで用いられる場合には、「ネガティブキャンペーンだから」といって許されるものではなくなります。この場合には、名誉毀損が成立する可能性が高くなります。

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4.ライバル企業へのネガティブキャンペーンは許されるのか?

最近、ライバル企業へのネガティブキャンペーンが行われることがあります。自社の優位性を高めるために、ライバル社やその商品、サービスの内容をおとしめるのです。ネットショップの口コミや、飲食店の口コミサイトへの意図的なネガティブ口コミの書き込みなどがこれに当たります。

ただ、このようなことをすると、単なる名誉毀損になってしまうおそれが高いです。

このような場合、情報の内容自体に公共性がありませんし、単なる自社の利益の目的ということになれば公益目的もありません。

また、内容の真実性も立証されないからです。「ネガティブキャンペーン」の名の下に、言いたい放題をすると、かえって自社が名誉毀損の責任を問われるおそれが高いのでやめましょう。

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5.ネガティブキャンペーンへの対抗策

自社がネガティブキャンペーンを受けてしまったら、どのような対抗策をとれば良いのでしょうか?

実際の選挙などにおけるネガティブキャンペーンであれば、合法的なものであることがあるので、対抗策を考えるのは難しいです。自分も正当に選挙活動を展開して勝ちましょう、ということくらいです。

これに対し、民間企業などがライバル社から「ネガティブキャンペーン」という名の下に、単なる誹謗中傷をされた場合には、対抗策があります。

この場合には、相手に対して名誉毀損にもとづく損害賠償請求をしたり、名誉毀損罪で刑事告訴をしたりすることが考えられます。ネット上で誹謗中傷(ネガティブキャンペーン)が行われるとき、相手が匿名であることも多いですが、そういった場合には、相手を特定するための法的な手続きもあります。

また、問題の記事や投稿を削除させる方法もあります。このような法的な対応方法をとるためには、弁護士に依頼することが効果的です。

今、他社からネガティブキャンペーンを受けて困っている企業などは、被害が大きく広がらないうちに、早めにネット問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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