特定班とは?本人特定されないための対処方法

特定班

匿名でネット炎上が起こった際などに、驚くべき精度をもって本人を特定する「特定班」と呼ばれる人たちがいます。

特定班は、発信者情報開示などの法的手続を使わずにさまざまな情報から本人を特定します。

特定するだけなら基本的に違法ではありませんが、入手した情報の使い方によっては特定班自身が違法行為の責任を問われる可能性もあります。

今回はネットの特定班とは何か、特定班の行為の法的問題点やネットで本人特定されないための対処方法をご説明します。

特定班とは?

ネット上の「特定班」とは何なのでしょうか?

これはネット炎上が起こった際などにありとあらゆる手段を駆使して本人を特定するユーザーです。

特定班とはいっても特別な組織があるわけではなく、SNSやネット利用に長けたユーザーが細かい情報を集めて特定するケースが多数です。

たとえば、特定班が活動するケースとして、以下のものがあります。

  • 匿名で犯人が捕まったニュースが流れた時に、「犯人」とおもわれる人物の個人情報(名前、職業、住所)やその家族、親族をサイトに晒すケース
  • テレビで匿名企業が「ブラック」として報道されたところ、特定班が特定したために炎上して不買運動が起こったケース
  • YouTubeでアルバイト店員による不適切動画が炎上したときに特定班が本人特定したため、本人が勤務先企業から損害賠償請求を受けたケース
  • 芸能人がニュースで流れたときに、個人情報を晒すケース
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ネット炎上から特定されるまでの流れ

特定班は法律のプロではないので、仮処分や訴訟などの法的方法によって本人を特定するわけではありません。

多くの場合、SNS(Facebook、Twitter)のつながりや投稿内容、画像、動画の内容や端っこの方に写っているもの、人物、関係するアカウントの情報や過去の書き込み内容などをたどって特定します。

炎上すると本人は該当する投稿や過去の投稿内容をどんどん削除していくものですが、特定班はそれより先にスクショなどによって証拠保全しながら特定を進めていきます。

たとえばFacebookで出身校や生年月日、性別、年齢層などを特定、友人の投稿によってさらに詳しい情報を特定、アカウント名によってツイッターやブログを特定、ついには家族構成や勤務先などまで特定されるといった具合です。プロの探偵ではありませんが現地調査に赴いて住所を特定しようとする例もあります。

Twitterのフォロアーにダイレクトメールを送って、対象人物の個人情報を聞き出そうとしたりもします。

このようにして炎上した人の個人情報が瞬く間に特定され、ときにはネット上に晒されたりして本人が大きな影響を受けます。

特定班の行為に違法性が認められるケース

ネットで炎上したとき、特定班が粘着質に絡みついて本人を特定することに違法性はないのでしょうか?

実はネット上に落ちている情報や現地調査などによって本人を特定するだけであれば違法性はありません。

しかし以下のような場合は違法で、特定班自体に損害賠償責任が発生したり犯罪が成立したりする可能性があります。

不正アクセス禁止法違反

本人特定の際に本人やその他の人のIDやパスワードを使って勝手にSNSなどにログインしたら、不正アクセス禁止法違反になります。

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ウイルス作成、提供罪

本人を特定するために不正なアプリを作成し、本人やその他の人のパソコンやスマホに仕込んだ場合にはウイルス作成罪や提供罪が成立する可能性があります。

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住居侵入

現地調査に赴いたとき、より詳細な情報を知りたいと思って本人宅や敷地内などに侵入したら住居侵入罪となります。

プライバシー権侵害

情報収集だけでは基本的に違法ではありませんが、集めた個人情報を公開するとプライバシー権侵害となります。たとえば「炎上した本人の名前は〇〇、住所は××、メールアドレスやSNSアカウントはこちら、父親や母親、兄弟の個人情報、職業、住所、連絡先」などと晒した場合などです。

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肖像権侵害

本人の顔がわかるような形で画像や動画をネット上に投稿した場合、肖像権侵害となります。

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名誉毀損、侮辱罪

炎上した本人をネット上に晒すときに名誉毀損的あるいは侮辱的な引用文をつけて投稿すると、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。

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特定班が逮捕される可能性は?

特定班による行為が違法行為と評価される場合、度が過ぎると逮捕される可能性があります。

たとえば、以下のような犯罪が成立する場合です。

  • 住居侵入罪
  • 名誉毀損罪
  • 侮辱罪
  • 不正アクセス禁止法違反
  • ウイルス作成、提供罪

ただし名誉毀損罪、侮辱罪は親告罪なので、被害者が刑事告訴しない限り逮捕される可能性はありません。

またプライバシー権侵害や肖像権侵害には処罰規定が設けられていないので、違法行為ではあっても逮捕はされません。

特定班が損害賠償請求を受ける可能性は?

特定班の行為が違法となる場合、情報を晒された本人から損害賠償請求を受ける可能性があります。
それは以下のような場合です。

  • 住居侵入した
  • 名誉毀損、侮辱行為を行った
  • 不正アプリを仕込んだ
  • 不正アクセスした
  • プライバシー権侵害、肖像権侵害となる行為をした

上記のような違法行為はすべて損害賠償請求の対象です。特に名誉毀損やプライバシー権侵害、肖像権侵害などの行為があると慰謝料請求されやすいでしょう。

特定された場合の対処法

ネットで炎上や誹謗中傷の被害に遭うと、特定班に個人情報を特定される可能性があります。その場合、どう対応すれば良いのでしょうか?

情報を晒さないようにクギを刺す

特定されただけで情報が晒される前であれば、情報を公開しないようにクギをさしましょう。

無断で公開したらプライバシー権侵害や名誉毀損になる可能性が高いことに触れて牽制します。また情報を破棄するよう求めましょう。

情報の公開を取りやめるよう請求する

既に晒されてしまった場合、すぐに情報の公開を取りやめるよう、公開しているサイトの担当者、Twitterアカウントに要求すべきです。

損害賠償請求をする

無断で情報が晒されたら、特定班に対して損害賠償請求できます。メールやメッセージ機能などを使って慰謝料請求の通知を行いましょう。

特定班に民事的な裁判を起こすことも選択肢です。弁護士に相談してみましょう。

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刑事告訴する

特定班が悪質で名誉毀損的な投稿や個人攻撃を続ける場合には名誉毀損罪などで刑事告訴して処罰を求めましょう。

特定班に刑事的な責任をとってもらうことも重要です。

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特定されないための予防法

特定班がみんな悪者、というわけではありませんが、中には「自らが正義」と勘違いして風評被害や炎上の当事者の情報を晒して快感を得ている人がいます。

いったん情報が晒されたら、差し止めや損害賠償請求をしても完全な被害回復はできません。大切なのは「ネット利用の際に特定されないようにすること」です。

そのため、以下のような予防法をお勧めします。

ネットに個人的な情報を書かない

ネット上に個人的なことを一切書かなければ特定班でも特定は困難です。SNS、ツィッター、インスタ、FaceBook、個人ブログ、などきめ細かく経歴を書くと、「なりすまし」などの二次被害にも発展するおそれがあります。

ネットに個人的な写真を載せない

写真を載せるとどうしても端に移っている細かな情報などから特定されるリスクが高まるので、旅行先の写真などでも載せない方が安心です。

学校や勤務先、職業や居住地がわかるような情報を載せない

「近くで雪が降った」「家の近くに、きれいな川がある」「勤務先が一部上場企業」「実家や職業が電気屋」など、個人特定につながる情報は一切公開しない方が安心です。

やみくもにSNSをリンクさせない

SNSをリンクさせるとそこからどんどん情報が漏れるので控えましょう。プロフィールを書く場所、会社のHPや学校のHPのプロフィールにFacebookやTwitterなどをリンクすると個人情報が筒抜けになる恐れがあります。

リアル友人や知り合いと公開の場で会話しない

リアルの友人知人や家族などと公開のSNSで会話していると誰が見ているかわかりません。自分が情報を開示しなくてもリアル友人などの投稿内容から個人特定につながるので危険です。

まとめ

炎上したり誹謗中傷被害を受けたりしても、特定さえされなければ被害は小さく済ませられるものです。今回ご紹介した対策方法を参考に特定班対策をしっかり進めていきましょう。

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