ヘイトスピーチとは?定義や対処法を詳しく徹底解説!

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現在、街宣だけでなくネット上でもとどまることなく行われている「ヘイトスピーチ」。
皆さんはヘイトスピーチについて、どのくらいご存じでしょうか。

「言葉は聞いたことがあるけれど、詳しいことはあまり知らない…」という人がいれば、ヘイトスピーチに日々悩まされ「なんとか処罰してほしい」と思う人まで、様々な方がいらっしゃると思います。

今回はそんな皆様に向けて、ヘイトスピーチの基本的な情報から対処法まで、詳しく解説していきたいと思います!

ヘイトスピーチとは?

まず、ヘイトスピーチとは何でしょうか。

一般的には「人種・国籍・民族・宗教・性的指向・障害・職業など、自分で変えることが難しい事柄において、個人または集団を誹謗中傷・脅迫・攻撃し、もしくは他人をそのように扇動する言論等」のことを指します。

また、日本のヘイトスピーチに関する唯一の法律である「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(通称:ヘイトスピーチ解消法)では、次のように定義されています。

「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」

要するに、

  • 「〇〇人は地獄に落ちろ!」
  • 「〇〇人は日本から出ていけ!」

というような言動がヘイトスピーチにあたるのです。

また、駅や住宅街などで行う街宣での差別は勿論、掲示板に書き込んだり、SNSで発信するといったネット上での行為もヘイトスピーチに当たります。

ヘイトスピーチの法的規制と問題点

ヘイトスピーチは人種差別と同類であり、多くの人が「してはいけないこと」というイメージを持っていると思います。
しかし、いざヘイトスピーチを法的に規制するとなると、様々な問題点が出てくるのです。

ヘイトスピーチの法的規制

ヘイトスピーチ解消法

まずは、現在どのような法的処置が取られているのかを見てみましょう。

ヘイトスピーチに関連する法律となると、先述した「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」つまり「ヘイトスピーチ解消法」があげられます。

しかし、この法律は基本理念などが書かれているのみで、ヘイトスピーチを禁止したり、罰則を科すような規制は定められていないのです。

そのため、現在の日本の法律では、ヘイトスピーチそのものの行為を処罰することはできず、それ以外の法律にあてはめて処罰するようになっています。

ヘイトスピーチをされたときに適用できる法律・犯罪

ヘイトスピーチによる被害を訴える場合は以下の法律で訴えたり、告訴したりすることが可能です。

①不法行為(民法709条) 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害すること 損害賠償請求が可能
②名誉毀損罪(刑法230条1項) 公然と事実を示し、人の社会的評価を下げること ネット名誉毀損で慰謝料請求する手順と慰謝料相場
③信用毀損罪(刑法233条) 虚偽の情報を流したり、人を騙したりすることにより、他人の信用を毀損すること ネットにおける信用毀損罪とは何か?
④侮辱罪(刑法231条) 公然と人を侮辱すること ネットの侮辱罪とは?構成要件、時効、慰謝料を詳しく解説
⑤脅迫罪(刑法222条) 対象者やその親族の生命身体・名誉等に害悪を加えることを告知して、脅すこと ネットにおける脅迫罪とは何か?必ず知っておくべき対処法
⑥業務妨害罪(偽計:刑法233条・威力:刑法234条) 虚偽の情報を流したり・人を騙す、もしくは威力を用いて人の業務を妨害すること ネット書き込みによる偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪とは?

しかし、上記の犯罪は対象が特定されていることが必要であり、「〇〇人」という漠然とした範囲の人を対象にするヘイトスピーチでは処罰されません
詳しくは表の右側にあるそれぞれのリンクで詳しく解説していますので、ご参照ください。

不法行為で損害賠償請求をする場合も、それによって損害が生じていることが必要です。

また、ヘイトスピーチに反対する運動(カウンターとよばれます)を行っている人達もいるのですが、選挙活動では公職選挙法によって妨害行為を禁じられているためカウンターを行うことができません。
そのため、選挙活動という名目でヘイトスピーチが行われているという問題点もあるのです。

ヘイトスピーチを直接規制することの問題点

こういった問題点があるにも関わらず、日本は他の先進国に比べてヘイトスピーチの規制がされていません。
というのも、先ほど述べたように、ヘイトスピーチを規制すると色々な問題点が存在するからなのです。

では、ヘイトスピーチ規制の一体何が問題なのでしょうか。

ここで一番重要なのは、日本国憲法第21条で保障されている「表現の自由」です。

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

言葉のとおり、発言や出版など、どんな表現も自由であるという条文です。

この条文は、戦前に国を批判した人が処罰されたり、国にとって都合の悪い情報が載っている本が出版できないといった、自由が弾圧されてきた歴史の反省からつくられました。
表現の自由があるから、私たちは自由に意見を言うことができ、自由な内容で出版や報道ができるのです。

もちろん、「公共の福祉」といって、自分の発言によって他人の権利が侵害される場合は制限がかかることがあります。
しかし、ヘイトスピーチと合わせて考えれば、「どの程度の表現からがヘイトスピーチになるのか」という問題があるのです。

ヘイトスピーチの範囲や程度がしっかり決められないまま法規制がされると、極端な話、「私は〇〇人苦手だな…」とちょっと言っただけで「差別した!ヘイトスピーチだ!」と処罰されるリスクが出てきてしまうのです。

このように規制の濫用が行われたり、それによる発言等の萎縮が起きると、戦前と同じ状態になってしまいます。

日本におけるヘイトスピーチの裁判例

ただ、先述したように、法的規制がされていないとしても他の罪状で対処することは可能です。
ここからは、ヘイトスピーチの被害者が勝訴した裁判例を見てみましょう。

①京都朝鮮学校公園占用抗議事件

これは2009年に「在日特権を許さない市民の会」(通称:在特会)など多数の活動家が京都朝鮮第一初級学校に「勧進橋児童公園の不正占用に抗議する」という形でヘイトスピーチを行った事例です。

民事・刑事両方にて裁判が行われ、刑事裁判では在特側に侮辱罪・威力妨害罪・器物損壊罪について執行猶予付きの有罪判決を出しました。
民事裁判でも、このヘイトスピーチはれっきとした人種差別にあたるとして街宣禁止と約1200万円の賠償を在特会に命じました。

②対在特会ヘイト裁判

2013~14年頃、在日朝鮮人のフリーライターである李信恵さんに在特会桜井元会長が街宣やネット上でヘイトスピーチと誹謗中傷を行った事例です。

裁判所は桜井元会長が行った行為は「人種差別と女性差別との複合差別にあたる」と判断し、77万円の賠償を命じました。

③匿名ブログによるヘイトスピーチ

2018年頃、大分に住む男性が自身の匿名ブログで、当時中学生だった在日コリアンの少年に対してヘイトスピーチを行った事例です。
裁判所はこの行為が侮辱罪にあたると判断し、男性に対して科料9000円の略式命令を出しました。

ネット上のヘイトスピーチを侮辱罪で処罰するのはこの事例が初めてであり、匿名でも特定して損害賠償を求めることができると、被害者に希望を持たせるきっかけになったと言えます。

④Twitterでのヘイトスピーチ

ヘイトスピーチの反対運動をしていた在日朝鮮人の崔江以子さんに対し、「極東のこだま」を名乗る男性がTwitter上でヘイト行為を行っていた事例です。

神奈川県迷惑行為防止条例違反(つきまとい等の禁止)の罪で略式起訴が行われ、男性には罰金30万円の略式命令が出されました。

ヘイトスピーチ解消法に続く自治体の取り組み|川崎ヘイトスピーチ禁止条例

繰り返しになりますが、日本では、ヘイトスピーチは直接法律では規制されていません。

しかし、東京都の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」や大阪府の「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」など、地域によっては条例をつくる動きが出てきています。

川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例

2019年12月、川崎市で「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が成立しました。
これは、日本で初めてヘイトスピーチに刑事罰を規定した条例で、多くの注目が集まっています。

この条例では、ヘイトスピーチを行った者に対して1回目は「勧告」、2回目は「命令」を行い、それでも従わなかった場合は氏名・団体名、住所、団体の代表者の氏名、命令の内容などを公表し、50万円以下の罰金に処すことが定められています。

人種差別をなくすための積極的な取り組みであると言えますが、その一方で日本人差別やネット上のヘイトスピーチは対象外という問題点もあり、今後も試行錯誤していく必要があります。

とはいえ、ヘイトスピーチ根絶に向けた法規制に繋がる大きな一歩であると言えるでしょう。

まとめ

以上がヘイトスピーチ問題についての解説でした。
ヘイトスピーチは法律で規制はされていませんが、地域によっては条例で規制されるようになってきています。

また、ネット上のヘイトスピーチであっても、発信者を特定し、名誉毀損や侮辱罪で処罰することが裁判例で認められています。
もし、被害を受けているときは諦めずに弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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