侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書の書き方【入門編】
プロバイダ責任制限法では、被害者に「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求権」を認めています。誹謗中傷の該当記事を…[続きを読む]
Yahoo知恵袋と並んで多くの人に利用されている「教えて!goo」。
自分の悩みや質問を解決するために、このサイトを参考にしている人も多いでしょう。
ただ、「解決した質問を消したい」「誹謗中傷の回答や質問があるから消したい」と思う方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、教えて!gooでの投稿を削除する方法をご紹介していきます。
「教えて!goo」とは、NTTレゾナントが提供するQ&Aコミュニティサービスです。
総質問・回答数は4000万件を超えており(2020年8月18日時点)、アプリでも利用することができます。
悩み相談・暮らし・電化製品など17種類のカテゴリに分けられ、その中でさらに細かく分類されていることで、全体として約700種類ものカテゴリが存在しています。
以前はOKWaveのシステムを利用していたため、教えて!gooの投稿が自動的にOKWaveにも反映されていましたが、2015年以降に独立してからは反映されなくなったようです。
「教えて!goo」では回答してほしい人の対象範囲を設定できたり、質問者の感情を表すスタンプがあったりと投稿に様々な工夫があります。
回答者の中でベストアンサー獲得上位者には、毎月記念品が贈与されるイベントもあります。
上記のように「教えて!goo」は便利なサービスであることがわかりますが、投稿内容によっては誹謗中傷や風評被害を引き起こすようなものもあります。
悪質な投稿例について簡単に見てみましょう。
このように、スタッフや店が実名で誹謗中傷されていると客足が遠のき、経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
特にスタッフとの意思疎通に齟齬が生じていたり、勘違いなどによってこのような投稿がされているならば、それらを削除するために適切な対応が必要です。
このような事実とは関係ない嘘の投稿をされてしまうと、実態に反して評判が下がってしまうと同時に、新規顧客も減少してしまいます。
上記のような誹謗中傷・風評被害の投稿や、間違って個人情報を入れてしまった質問など、様々な理由で削除したいと考える人がいると思います。
ここからは教えて!gooの投稿を削除する方法をご紹介します。
自分がした質問を削除する場合、「回答が1件も投稿されていない」ケースと「既に回答がされている」ケースでは削除の仕方が変わります。
回答がされていない状態であれば、自由に削除することができます。
既に回答がされている場合は、スマホの「教えて!gooアプリ」からの操作で消去できます。
ただし制限があり、1ヶ月に1件しか削除することができません。
複数の質問を削除したい場合は、1ヶ月ごとに1件ずつ消すしかありません。
他人が投稿した質問を消したい場合は、運営側に通報する必要があります。
まずは、教えて!gooのサービス利用規約と投稿ガイドラインを確認しましょう。
【参考】利用規約
【参考】投稿ガイドライン
例えば、投稿ガイドラインでは以下のような行為が禁止されています。
該当する行為があることを確認したら、その質問や回答内容の右下にある「通報する」を押してください。
アカウントを削除しても投稿は削除されません。
質問や回答、そのアカウント名がそのまま残ってしまいます。
上記の方法にある「通報」での削除は、運営側の判断に委ねられているため必ずしも削除されるとは限りません。
ただ、自分の店を誹謗中傷する内容が記載されていたり、事実無根のネガティブな投稿がされていたりと、何とかして削除したい場合もあるでしょう。
そこで、法的に削除する方法をご紹介します。
プロバイダ責任制限法3条1項に基づいて削除を請求する方法です。
基本的に依頼書を郵送することで、送信防止措置(=投稿の削除)をするよう請求することができます。
法的に請求するので、その投稿によって権利侵害をされたこと(名誉毀損や侮辱、プライバシー侵害など)を主張する必要があります。
ただ、こちらも任意の削除方法ですので、運営側の判断によっては削除されない可能性があることに留意してください。
依頼書の書き方など、詳しくは以下のページをご覧ください。
上記のどの方法でも削除できなかった場合、裁判所に仮処分命令をだしてもらい、強制的に削除をさせる方法もあります。
仮処分命令というのは、自分の権利を守るために裁判とは別に仮の処分を出してもらうことです。
裁判を行うより低コスト・短期間で仮処分命令を出してもらうことができます。
流れなどについては、以下のページをご参照ください。
同じアカウントが繰り返し誹謗中傷の投稿を行うなど、特定の人から陰湿な行為をされている場合は、投稿者を特定して処罰してもらう方法を取ることもできます。
匿名相手を特定するのに必要な手続きが「発信者情報開示請求」です。
プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて請求することができます。
詳しくは以下のページでご説明していますので、ご覧ください。
以上が「教えて!goo」の投稿を削除する方法です。
通報などによって削除を請求することは個人でもできますが、後半に紹介したような仮処分命令や発信者情報開示を請求する場合は法律に詳しい人でないと難しいかもしれません。
ひとりでは厳しいと感じたら、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。