美容医療の口コミ広場に悪い評判!削除方法と犯人特定方法

美容医療の口コミ広場

「美容医療の口コミ広場」というサイトをご存じでしょうか?

今回は「美容医療の口コミ広場」にてクリニックの名誉を毀損するような悪い評判や口コミ・レビューが投稿された場合、どのような被害が予想されるか、該当するレビューをどのようにして削除すれば良いのか、またどのような場合に弁護士に依頼すれば良いのかなど、悪質レビューへの対処法を一から詳しく解説してまいります。

「美容医療の口コミ広場」とは

「美容医療の口コミ広場」とは、美容整形外科・皮膚科治療などのクリニックを検索し、予約することができるサイトです。

美容医療の口コミ広場が主に扱っているクリニックの分野は以下の通りです。

  • 美容整形(美容外科)
  • 美容皮膚科(美肌・スキンケア)
  • 美容内科、美容医療
  • 美容歯科

美容整形を行なっているクリニックのなかでも、鼻整形・フェイスリフト・ヒップアップ・タトゥー除去など、お悩み別にクリニックを検索することができるほか、都道府県や住所などからも近くのクリニックを検索することができます。

また、美容医療の「口コミ広場」というサイト名からもわかる通り、各クリニックの口コミを読んだり、実際に通院したクリニックの口コミを書き込んだりすることも可能です。

美容医療の口コミ広場における誹謗中傷の具体例

実店舗で手にとって吟味し購入することができるものと違って、クリニックは色々な病院へ試しに行ってみる…というのもなかなか難しいものです。

そのため、各クリニックに実際に足を運んだ人の口コミがクリニック選びの判断材料となりますので、クリニックの名誉を毀損するような書き込みやネガティブな書き込みはクリニックへ予約を妨げるものとなってしまいます。

では実際に、美容医療の口コミ広場ではどのような誹謗中傷が存在するのでしょうか?

いくつか例を見ていきましょう。

  • 手術前のカウンセリングがとても雑で、要望をきちんと聞いてもらえなかった。必要な情報も与えてもらえなかった。
  • 院長と付き合っているという噂の看護師が1人だけとても偉そうな態度だった。患者の立場からでも他の看護師に対するパワハラが見てとれ、嫌な気持ちがした。
  • ○○病院の院長は、知り合いやツテのある患者に対する態度となんのツテもなく来院した患者に対する態度に差がありすぎる。
  • ○○病院の院長は自分の失敗を認めない性格の持ち主。迷っている方は行かないことをおすすめします。

このように、美容医療の口コミ広場では、施術内容やクリニックに対する評価だけではなく、医師や看護婦への個人的な誹謗中傷や根も葉もない噂、風評被害をもたらす口コミが多々投稿されています。

自分で口コミの削除請求を行う

美容医療の口コミ広場の利用規約(https://report.clinic/info/kiyaku.html)第5条には、「本規約第7条の禁止事項に該当するコンテンツや権利の侵害につきましては、削除依頼フォームからお知らせください。 」とあります。

そのため、誹謗中傷やネガティブな口コミが利用規約規約に違反していると考えられる場合には、削除を申請することができます。

削除することができる口コミの種類とは

美容医療の口コミ広場の利用規約第7条を参照すると、利用規約に反する口コミは以下のとおりです。

  • 美容医療の口コミ広場を利用する地域の法律・条例・その他、これに準ずる規制の定めに従わない口コミ
  • 公序良俗に反する口コミ、犯罪行為を助長する内容の口コミ
  • 他の利用者、第三者に対する誹謗中傷、名誉毀損を目的とする口コミ
  • 他の利用者、第三者のプライバシーを侵害する口コミ
  • 他の利用者、第三者の知的財産権(著作権、商標権、意匠権、特許権等)を侵害する口コミ
  • 美容医療の口コミ広場とは関係のない団体やサービス、活動等へと勧誘する口コミ
  • 自分以外の人物へのなりすまし、複数のハンドルネームを使い分けて投稿している口コミ
  • 広告を目的として、また商業目的としてコンテンツを投稿する口コミ
  • 同一内容の意図的な複数投稿、本サービスの趣旨と関係ないコンテンツの口コミ
  • 虚偽の情報を登録、投稿、公開するような口コミ
  • 他の利用者、第三者に不利益を与えるような口コミ
  • 美容医療の口コミ広場の運営を妨害する、または信用を毀損する口コミ
  • 利用規約、美容医療の口コミ広場において別途定められている個別規約に違反する口コミ
  • その他、美容医療の口コミ広場が不適当であると判断するような口コミ

口コミ広場「削除ガイドライン」によると、このうち

  • プライバシーの侵害
  • 名誉毀損
  • 企業・法人の権利の侵害
  • 著作権侵害
  • 虚偽情報
  • 規約違反

が実際に削除を行う際の基準となります。

被害を受けている口コミがこれらに該当する場合には、速やかに削除申請を行いましょう。

例えば、「美容医療の口コミ広場における誹謗中傷の具体例」で示した「院長と付き合っているという噂の看護師が…」というような口コミは、プライバシーの侵害にあたります。

口コミの削除申請をする方法

まずは「削除申請フォーム」にアクセスしてください。

  • 投稿の種類
  • 対象投稿の日時
  • 対象投稿の投稿者名
  • 対象投稿のURL
  • 削除申請を行う者の名前、組織名
  • 削除申請を行う者のEmailアドレス
  • 申請理由
  • 詳細理由

が必須項目となりますので、これらの情報を正確に記入し、入力内容を確認して送信してください。

特に「詳細理由」に関しては、できるだけ細かく記入することが大切です。
ただ削除してほしい!という要望だけではなく、美容医療の口コミ広場の削除ガイドラインをしっかり読んだことをアピールするようにしましょう。

具体的には、削除してほしい口コミが美容医療の口コミ広場のガイドラインにおいてどのように違反しているかという点を、「削除ガイドライン」から引用しながら示すようにするとわかりやすいでしょう。

弁護士を通じて削除申請をする

削除申請フォームから申請を行なっても、なかなか削除されない場合には、裁判所を通じて口コミの削除請求を行うことになります。

裁判所を通じた口コミの削除というのは、通常の訴訟手続後ではなく、「仮処分」という手続によっても削除することが可能です。

「仮処分」とは

「仮処分」というのは、債権者による申立後に、裁判の結果が出る前の段階で

  • 書き込まれた不利な情報、悪質な書き込みを削除してもらう
  • 裁判が終了する前に相手の個人情報が削除されてしまうことを防ぐようにする

など、本来当然受けるべき権利・避けるべき不利益を保護するために、裁判所が暫定的に取り計らう手続きのことを指します。

訴訟を起こしたとしても、裁判には3〜12ヶ月程度の期間が必要となります。
その間、美容医療の口コミ広場に名誉毀損と認められる書き込みや根も葉もない悪質な口コミが晒され続けることにより、裁判が終わる頃には患者さんが激減しクリニック閉院に追い込まれた…という最悪のシナリオもあり得ます。

このような「手遅れ」となってしまう状況を生み出さないようにするために、「仮に裁判で勝ったときと同様の処分を、裁判所が予め命令してくれる」という保全措置のことを「民事保全」と言います。

そしてこの「民事保全」のうち、金銭以外のものに対する対応を「仮処分」と呼ばれています。

口コミ削除の仮処分が認められるためには

「仮処分」は、美容医療の口コミ広場のような口コミサイトでの口コミに対してももちろん認められます。

ただし、申立さえ行えばどんな口コミに対してでも仮処分が認められるわけではなく、条件をクリアする必要があります。

実際に仮処分が認められるためには、

  • 被保全権利
  • 保全の必要性

の要件を満たすことが必要となります。

被保全権利

被保全権利とは、「保全されるべき権利なのか」ということだと考えてください。

例えば、プライバシー権や著作権、名誉権などが保全させるべき権利として挙げることができます。
削除してほしいと考えている口コミがこのような保全されるべきと判断される権利を侵害している場合には、仮処分の対象として認められます。

保全の必要性

さらに、仮に保全しなかった場合に債権者に著しい損害もしくは危険が生じることを裏付けるような、客観的かつ具体的な事情が必要不可欠となります。

仮処分にかかる期間は?

通常の裁判の手続きを踏み、判決が出るまでには3〜12ヶ月かかるのでした。
一方で、口コミの内容が仮処分が認められるものであれば、最初に裁判所に対して申し出をしてから、無事に口コミが削除されるまでの期間は、おおよそ1〜2ヶ月前後と大幅に短縮することができます。

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仮処分の申立から口コミ削除までの流れ

仮処分の申立を行なってから、実際に該当する口コミが削除されるまでの流れは以下のとおりです。

  • ①裁判所への申し立て
  • ②審議
  • ③仮処分命令の発令
  • ④該当するレビューの削除

仮処分の申立行う場合には、法律上の要件を満たしているかどうかの主張に加え、その主張を立証するための証拠が必要となります。

例えば、「美容医療の口コミ広場における誹謗中傷の具体例」を参照すると、
「手術前のカウンセリングがとても雑で、要望をきちんと聞いてもらえなかった。必要な情報も与えてもらえなかった。」という口コミに対して仮処分の申立をしたい場合には、

  • 当該患者の手術前カウンセリングに用いた資料
  • 当該患者が手術前にサインをした同意書
  • 当該患者のカルテ
  • 手術前カウンセリングに関するマニュアル

などを証拠として提出したうえで、
「このような資料を用いて手術前のカウンセリングを行い、必要な説明は全て行った。手術前に説明が必要な事項に関しては、当該患者がサインをした同意書にも記載されている」などの主張を行わなくてはなりません。

ただし、裁判所での手続きで必要となるこうした証拠集めはなかなか個人で行うのは困難です。
もしも削除申請フォームからの申請でも悪質な書き込みが削除されることがなく、裁判所を通した手続きを取らなくてはならない場合には、弁護士に依頼することをおすすめします。

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悪い口コミ・評判の書き込み犯人を特定したい場合

悪質な口コミを削除したからといって、それだけでは被害がストップしないケースもあります。

実際にクリニックが被害を受けるほどの悪質かつネガティブな口コミを投稿する人物は、自分の投稿が削除されたことに逆上し、より悪質な口コミを繰り返し書き込むことがあります。

この場合、嫌がらせをしたいという気持ちから口コミを投稿していることが多く、最初の口コミよりも誹謗中傷の度合いが強い口コミがされる可能性が高いです。

このような状況では、口コミを投稿している投稿者の特定をし、損害賠償を請求するというのも被害を食い止めるための一つの方法です。

発信者情報開示請求を依頼する

実際に投稿者の特定をしたい場合には、弁護士へ依頼し、発信者情報開示請求を行うことが必要ですが。

発信者情報開示請求によって、誹謗中傷や悪質な口コミを投稿している投稿者のIPアドレス、氏名、住所などの情報の開示を請求することができます。

投稿者のIPアドレスがわかれば、投稿者を特定することができるというのはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、発信者特定の手続きはどのような手順で行われるのでしょうか。
投稿者特定のための具体的な流れは以下の通りです。

  • ①コンテンツ・サービス・プロバイダに対して、発信者情報(IPアドレス)の開示請求を行う
  • ②発信者情報開示の仮処分を申請する
  • ③IPアドレスをもとに、使用された経由プロバイダの特定を行う
  • ④経由プロバイダに対して、発信者情報の消去禁止の仮処分申請を行う
  • ⑤発信者情報の開示請求の訴訟提起を行う
  • ⑥裁判所の確定判決に基づいて、住所・氏名など発信者が特定される

上記のような流れを経て、クリニックの信用を損ねるような悪質な口コミをした投稿者が特定された場合には、投稿者の特定のために必要となった要した弁護士費用や慰謝料など損害賠償金を請求することが可能となります。

犯人特定にかかる弁護士費用の相場

悪質な口コミ投稿者の情報開示請求を弁護士に依頼する場合、費用の相場は

  • 任意開示の場合:10万円~15万円程度
  • 裁判による開示請求を行う場合:30万円~40万円程度

です。

ただし弁護士費用は、弁護士事務所や弁護士によって各々異なりますので、弁護士への依頼を考えている方は前もって費用を確認するようにしましょう。

まとめ

今回は、美容整形や美容皮膚科などのクリニックの口コミサイトである「美容医療の口コミ広場」において、名誉毀損や虚偽の内容など悪質な口コミが投稿された際の対応についてご紹介しました。

まずは自分で削除申請フォームから口コミ削除の申請を行い、それでも削除されなかった場合には裁判所を通しての手続きとなります。
そのような場合には、被害が拡大しないための仮処分手続きなども必要となり、証拠集めが重要なポイントとなってきますので、知識と経験が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事はネット誹謗中傷弁護士相談Cafeを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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