ネット誹謗中傷!名誉毀損と侮辱罪とプライバシーの侵害との違い

Laws against hate speech and other inciteful language, 3D rendering

自分の名前でネット検索したら、自分が名誉毀損されていたという経験をした人も多いと思います。

ただ、インターネットの書き込みであっても、「名誉毀損罪」として、犯人を刑事告訴できる場合があります。

そこで今回は、ネット名誉毀損罪は、どのような書き込みが当てはまるのか?どんな場合にどんな責任が発生するのかを解説します。

名誉毀損とは?

ネット誹謗中傷が行われると、名誉毀損罪が成立することがあります。

名誉毀損とは、事実を摘示することによって相手の社会的評価を低下させることです。

たとえば典型的なものが、虚偽の事実を提示して相手をおとしめる行為です。

名誉毀損の書き込み事例

たとえば、

  • 「○○は会社のお金を使い込んでいる。」
  • 「○○は犯罪者だ。」
  • 「○○は、××と不倫している」

などの書き込みが例として挙げられます。

このような事実無根の内容をネット上に投稿すると、その内容が不特定多数の人に公開されてしまいます。

そこでこのような問題行為を名誉毀損として規制することで、法律は被害者の利益を守っています。

名誉毀損の刑事的責任(刑罰)

名誉毀損罪は、刑法230条に規定されている犯罪です。名誉毀損罪が成立する場合には、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金刑に科されるおそれがあります。

名誉毀損の民事的責任

また、ネット誹謗中傷行為によって名誉毀損が成立する場合には、刑事的のみならず民事的な責任も発生します。

この場合、書き込んだ人は対象者に対して損害賠償責任を負うので、慰謝料などを支払わなければなりません(民法709条)。

さらに、名誉回復のための措置をとる必要が発生することもあります(民法723条)。

名誉毀損の構成要件

名誉毀損の相手方をおとしめる事実の書き込みは、その内容が真実であっても問題になります。

たとえば、先に挙げた例で「あいつは前科者だ」とネット掲示板上に書き込んだ場合、それが事実であっても名誉毀損が成立する可能性があります

真実の書き込みなら問題ないだろうと思いがちですが、名誉毀損行為は、それが相手の社会的評価を低下させるものである限り、内容が真実であるかどうかは基本的に問題にならないからです。

人の名誉を毀損=人の社会的評価を低下させる”ものかどうかについては、問題になります。人の社会的評価を低下させるかどうかについては、客観的に判断されます。

名誉毀損に関しては、下記の記事で詳しく解説していますので、ご参考ください。

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侮辱罪が成立する場合

インターネット上の誹謗中傷行為は、名誉毀損のように事実を提示して相手方をおとしめるケースには限られません。

事実を摘示しないで相手方を侮辱する発言をした場合にも法的責任が発生します。

相手を罵倒する行為が侮辱罪となります。

この場合には、刑法上の侮辱罪が成立します。

名誉毀損罪(刑法230条)と侮辱罪(刑法231条)との違い

インターネットなどでよく問題になっている誹謗中傷に対して刑事上の責任を追及する場合、ここで考えられる罪となるのは名誉毀損罪と侮辱罪の二つとなります。

名誉毀損罪とは

名誉毀損罪とは刑法230条に規定されている罪であり、ここの第1項では

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者はその事実の有無にかかわらず3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金に処する」

と規定されています。なお、「事実を摘示し」の「事実」は、「その事実の有無にかかわらず」とあるように、内容の真偽は問いません。

噛み砕いて言うと名誉毀損罪とは不特定多数の人が認識出来る場所で他人の社会的評価を損なったり、損なう可能性のある具体的な事柄を文章や口頭で示すことによって成立する罪であり、その罪に対しては懲役か罰金が下るということです。

侮辱罪とは

次に侮辱罪とは刑法231条において定められる罪で、こちらは

「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱したものは拘留または科料に処する」

と規定されています。

名誉毀損罪と侮辱罪との違いは、名誉毀損が事実の摘示であることに対し、侮辱罪では事実を摘示しないという点です。

たとえば、相手をむやみに汚い言葉で罵倒する行為で、

  • 「あいつは馬鹿だ」
  • 「あいつは醜い顔をしている」
  • 「あいつは臭い」
  • 「Bさんはうそつきだ」

などの発言が考えられます。

よく子供のうちはこのような言葉を使うこともあるでしょうが、このまま改善できずに大人になると、インターネット上で侮辱行為を行い、犯罪になることもあるので注意しましょう。

「Aさんは浮気性だ」という書き込みも侮辱罪になります。浮気性というのが事実かどうかというのは実態をみていなくてはなりませんから、これでは名誉毀損罪が成立できないのです。

しかし個人名を出して浮気性だと言いふらしていることは事実ですから、この場合は侮辱罪が適用される可能性が高くなります。

侮辱罪も犯罪なので、軽い気持ちでこのような発言をすると、対象者から刑事告訴されて逮捕されるおそれなどもあるので注意しましょう。

侮辱罪が成立する場合には拘留または科料の制裁が科されます。

プライバシーの侵害

ネット上での書き込みが問題になるのは、名誉毀損や侮辱罪などの刑事責任が発生する場面だけではありません。

投稿内容が対象者のプライバシーの侵害となる場合にも、投稿者に法的な責任が発生します。

プライバシーの侵害は、刑法で罰する規定はありません。

しかし、刑事上の責任は発生しなくても、民事的な責任が発生します。

具体的には、不法行為が成立して、損害賠償責任を負う事になります(民法709条)。

プライバシーの侵害の場合には、投稿する内容が真実であっても法的責任が発生します。

むしろ、真実である方が、情報を公開された被害者にとってはダメージが大きくなってしまいます。

プライバシーの侵害行為を行うと、被害者から慰謝料請求をされますし、支払をしないでいると、民事訴訟を起こされて裁判所から支払い命令の判決を出されてしまうおそれもあります。

たとえば「あの人は私生児だ」などと言った場合でも、プライバシーの侵害の書き込みと評価されてしまうおそれがあるので注意が必要です。

プライバシー保護法に違反しているのですが、インターネット上に個人情報が公開されてしまうと、あっという間に広がってしまい、なりすましや詐欺などの被害を受けてしまうことがあります。

ある意味、侮辱や名誉毀損よりも酷い行為なので、本来であれば真っ先に対策を練らなければいけません。

プライバシーの侵害と名誉毀損との違い

一方、名誉毀損とは、社会的に会社や個人などが得ている地位、名誉、評判などが傷つけられることを指します。

プライバシーの侵害と同様大きな問題になりますが、名誉毀損の場合、事実無根であることを証明すれば、名誉が回復しますが、プライバシーの侵害の場合、真実が一度ネットにさらされてしまう拡散され、名誉の回復は難しく被害は残ってしまうのです。

このようにネット誹謗中傷対策を行うためには、どのような行為が誹謗中傷になるのかを知っておく必要があります。

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名誉毀損と表現の自由とのバランス

ネット上での発言は、基本的に自由であるべきです。それは、表現の自由が憲法上保障されている以上当然のことです。

しかし、ネット誹謗中傷や名誉毀損を受ける人の利益も守る必要があります。このように、ネット上の発言においては、表現の自由と被害者の利益のどちらを優先するのかが問題になります。

法律は、さまざまな犯罪類型や法的責任を定めることによって、両者の調整を図っています。

日本は、表現の自由が憲法で保障されています。

「表現の自由」 とは、日本国憲法第3章 「国民の権利及び義務」 の第21条によって保障された、日本国民全てが持っている基本的人権のひとつです。日本国に住む日本人はこの権利を持ち、また国から一切の侵害をされず、誰でもが平等に享受できるとうたわれています。

日本国憲法第21条

1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

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インターネットで発生する名誉毀損も内容によっては刑事事件になるわけですが、やみくもに取り締まることができるわけではありません。

どこまでが国民の権利の範囲なのか?どこからが、犯罪や刑事罰に含まれるのか?名誉毀損について弁護士に相談しながら今後の対応を考える必要があります。

名誉毀損の法律相談をうけられるのは、弁護士しか行えません。

まずは、自分のネット上で受けた、名誉毀損、侮辱、誹謗中傷による権利侵害が法律違反に入るのか?被害の状況を弁護士にご相談ください。

ネットに強い弁護士は、親身になって相談にのってくれるでしょう。

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