サクラサイト商法とは|手口・返金方法・気をつけることなど解説

サクラサイト商法による被害が拡大しています。被害者の心の隙間を利用して、大金を支払わせる詐欺行為です。自分は大丈夫と考えている人でも、いざサクラ商法の手口に遭遇すると、気づかずにお金を支払っていた事例もあります。
そこで今回は、サクラサイト商法について解説します。サクラサイト商法の内容、手口、返金方法、事例からサクラサイト商法に引っかかった場合の対処法、警察に逮捕されないのか、引っかからないようにするために気をつけることについて簡単にご説明します。
目次
簡単に説明すると?サクラサイト商法とは
サクラサイト商法とは、人の気持ちを利用してお金を騙しとる商法のこと
サクラサイト商法とは、人の気持ちを利用してお金を騙し取るサイトのことを指します。サクラサイト商法で多いのは、出会い系サイトです。一般的な出会い系サイトのように見えますが、そこに異性は登録しておらず、業者が雇ったサクラが登録者とメールなどのやりとりをすることになります。「異性と出会いたい」という気持ちにつけこみ、登録料としてお金を騙し取る方法です。
出会い系サイトはよくあるサクラサイト商法の事例ですが、最近では「お金が欲しい」「有名人と会いたい」「運気をあげたい」「相談に乗って欲しい」というようなさまざまな気持ちに漬け込んだ手法が存在します。架空の相手とやりとりを続けるために、有料サービスを継続させることで、利益を得ており、逆に引っかかってしまった方はお金をだまし取られ、その後、返金方法はないかと悩んでしまうのです。
サクラサイト商法で実際にあった手口と事例
消費者庁のサイトを見てみると、代表的な手口として、以下のような方法が紹介されています。
- 【代表的な手口】
- 誘惑
- 同情誘引
- 悩み相談
- 利益誘引
- その他
まず、異性との出会いを目的とするサイトなので、誘惑することによって被害者を誘引します。
同情誘引の手法では、「落ち込んでいる芸能人を励ましてほしい」というのがよくある誘い文句です。
悩み相談は、今抱えている悩みを専門家と称するサクラに相談できますが、継続するには利用料が必要になるケースです。
利益誘引の手口では、ネットゲームなどで儲かる方法があるなどのメールが届き、そこからサイトに登録させお金を騙しとります。
その他、遺産が手に入るので山分けにするという内容の事例もありました。またこれらのような典型的な事例以外にも「個人情報閲覧料」などの名目で課金をさせる仕組みがあるようです。
これらの手口に共通しているのは、最初は無料であることです。しかし、一定期間を過ぎると利用料・登録料と称してお金を支払わせています。
【サクラの属性】
- 異性、タレント、弁護士、占い師、社長など
人の気持ちにつけこみ、お金を詐取することから、サクラとなる架空の人物の属性は多種多様です。
出会い系では異性、同情誘引ではタレント、悩み相談などの架空サイトでは弁護士や占い師、社長などが挙げられます。
【決済方法】
- ポイント制
決済方法として、多くのサクラサイト商法ではポイント制がとられています。
サクラとのやりとりを続けるためにはサイトで有料ポイントを購入しなければならないというものです。決済方法は、電子マネー、クレジットカード、振り込み、コンビニ決済まで様々な方法を利用することができます。
被害者は当初は無料なので、気軽にやりとりを続けているうちに相手を信用してしまうのです。
【事例】
消費者庁に報告された事例では、以下のような内容がありました。
- 「SNS経由で好きなタレントから直接メッセージが届いた。「事務所に内緒」と言われ、別サイトでやりとりすることを提示され、誘導された。メール交換のためにポイントで260万を支払った」
- 「「悩みを聞けば収入になる」という在宅ワークの広告を見て、サイトに登録した。メールの送受信は無料だったが、収入の受け取りにポイント購入が必要だった。1週間で180万も騙し取られた」
参考:消費者庁ホームページ
サクラサイト商法に引っかかった場合の対処法!返金方法は?
返金可能!しかし証拠を集める必要あり
サクラサイト商法の被害にあった場合、お金はやっぱり戻ってこないの…?と不安になる方が多いでしょう。
確かに昔は立証が難しく、裁判でも勝てないケースが多かったといわれています。しかし最近では、間接的な証拠を積み上げていけば、裁判で勝てるケースも出てきています。具体的には、以下の証拠をまず確認しましょう。
- 送受信したメール
- 支払いの領収書
サイト自体はいずれ削除される可能性もありますので、送受信したメールの内容はできる限りプリントするか写真を取っておくようにしてください。お金を支払った事実を立証しなければいけないため、クレジットカードの明細やコンビニでポイントを購入した領収書などが必要です。これらに加え、同様の事例の報告、出会い系なのに異性と出会えなかった事実など間接的な事実を積み上げることで裁判でも勝つことができます。
また他にもクレジットカードの場合は、支払い時期がまだの場合は支払いを待ってもらうことで被害の拡大を防ぐことも可能です。最終的には、決済代行サイトかサイト運営者に返金の交渉をすることで、サイトからの振り込みやカードの決済取り消しで返金されることもあります。
重要なことは、被害に気づいた・支払いに疑問を持った場合にすぐに周囲の人に相談することです。その上で弁護士や消費者センターに報告して、返金の手続きをできるだけ早い段階で進めていきましょう。
サクラサイトは違法?警察は動いてくれるのか
サクラサイトの被害者の中には「自分が支払ったのだから返金されない」、「きっと警察も動いてくれない」と被害禁を諦めてしまう方もいます。しかし、サクラサイト商法は、人の気持ちにつけこみ、お金を騙しとる詐欺行為であることが明らかです。警察に相談すれば詐欺罪の事件として捜査してもらえる可能性はあります。
詐欺既遂罪(246条)が成立するためには「欺もう行為により、相手を錯誤に陥れ、処分行為(お金の支払い)行われ、損害が発生する必要」があります。
- 欺もうとは嘘などで人を騙すことを指します。
- また錯誤とは、被害者が事実でないことを事実だと誤信することを指します。
- 処分行為は財産の移転(お金の支払い)であり、これにより被害者に金銭的損害が発生することが必要です。
サクラサイト商法の場合、サイト上やメールなどで「異性と出会える」「芸能人と知り合える」「専門家に相談できる」「儲かる」など嘘の事実を提示するという欺もう行為により被害者を騙し、これを被害者が信じて(錯誤)登録料等の名目でお金を支払います(処分行為、損害)ので、詐欺罪の要件を満たします。
警察が捜査をしてサイト運営者を逮捕した場合、運営者は10年以下の懲役に処される可能性があります。
これまでには実際に捜査が行われ逮捕された事例もあるにはあります。
サクラサイト商法対策!気をつけること
サクラサイト商法に引っかからないようにするためには、気をつけることとして、以下のことを理解しておきましょう。
- 迷惑メール(SNSも含む)からやりとりをしない
- 有料となる時点で疑いを持つ
- 個人情報を無闇に提供しない
サクラサイト商法の始まりは、迷惑メールがほとんどです。知らない人からのメールやSNSのメッセージには警戒してください。著名人や芸能人を語る場合でも、本人かどうか確認できない場合には、連絡を取らないようにしましょう。
メールを続けているうちにサイトに誘導されます。サイトが有料になる時点で、詐欺サイトかもしれないと疑いを持ちましょう。どんなサイトで課金をする場合でも、支払った分の領収書などはこまめに保管するようにしてください。気をつけることとして、被害にあった場合に役立ちます。
個人情報を取得され、電話で支払いを求めるなどのトラブルにつながっているケースもあることから、個人情報はできるだけ提供しないようにしてください。氏名や住所などは出会い系サイトには必要ありません。年齢さえ確認できれば大丈夫です。
サクラサイト商法は、早期の対処が必須!
今回はサクラサイト商法の手口、気をつけること、返金方法などを簡単に解説しました。
「詐欺サイトかもしれない」と少しでも不安に感じたら周囲に相談するか、まず弁護士に相談しましょう。