知る権利、アクセス権、プライバシー権を「具体化」する法律解説

プライバシー権や知る権利、アクセス権については「具体化」する法律があるかどうかが重要です。

プライバシー権(自己情報コントロール権を含む)については、「個人情報保護法」によって具体化されています。これについては、行政のみならず民間企業に対する権利としても認められているので、かなり広く権利性が認められていると言えます。

また、知る権利については、「情報公開法」があるため、少なくとも行政に対する関係では具体的に保障されています。

これを使うと、独立行政法人の業務内容や地方自治体の財務状況、建築確認などの許認可の状況、不動産に関する図面など、いろいろな情報の提供を求めることができます。

これらの権利に対し、アクセス権については、具体化した法律がないために、現時点では具体的権利として認められていないと考えられています。

個人情報保護法とは

プライバシー権や自己情報コントロール権との関係で問題になるのが「個人情報保護法」です。

個人情報保護法は、その名の通り、「個人情報」を守るための法律で、企業などが個人情報を把握するときの管理方法や取扱いに関して規定をしているものです。この情報によって守られる個人情報の範囲はとても広く、氏名や住所、メールアドレスなどの情報のみならず、個人のDNAや顔、虹彩や声紋、歩き方や静脈、指紋なども個人情報となります。

さらに、パスポートの番号や基礎年金の番号、免許証の番号や住民票コード、マイナンバーなどの公的な番号も個人情報です。

個人情報を取り扱う事業者は、個人情報を適切に管理し、漏えいなどを防止する措置を講じる必要があります。以前の規定では、個人情報取扱事業者は5000人を超える個人情報を取り扱う事業者に限られていましたが、法改正によって人数の制限がなくなったので、1人の個人情報でも預かっていたら、個人情報保護法が適用されます。

個人情報取扱事業者は、適切に個人情報を管理する義務を負うと共に、基本的に、本人の承諾なしに勝手に個人情報を第三者に提供してはなりません。ただしこれについては、一部例外がもうけられています。

また、本人から情報の訂正や削除の要請があったら、速やかに対応する必要があります。

さらに、個人情報を不正な目的で提供した場合には、罰則も適用されます。

以上のように、個人情報保護法は、個人情報が適切に管理されるための法律であり、個人のプライバシー権・自己情報コントロール権を具体化したものと言えるでしょう。

情報公開法とは

情報公開法は、知る権利を具体化した法律

知る権利は、国民がさまざまな情報にアクセスできる権利です。

ただ、「知る権利が認められる」と言っても、実際にその方法や、どこまでの情報公開を求めることができるかなど、具体的に定まっていないと権利行使することは困難です。そこで、政府情報等の公開を要求することのできる権利としての「知る権利」は、「情報公開法」という法律により、保障されています。

情報公開法とは、国民が国や地方自治体、独立行政法人に対し、行政が把握しているさまざまな情報公開を求める権利を認め、その方法を定めている法律です。

正式には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)」「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)」であり、「行政機関情報公開法」「独立行政法人等情報公開法」と呼ばれることもあります。

情報公開の対象となる機関

情報公開法が適用される機関は、内閣官房や内閣府、人事院や国の省庁、委員会や会計検査院、国立大学や独立行政法人、特殊法人などです。

情報公開の対象となる文書

対象文書は、行政機関や独立行政法人の職員が職務上作成したり取得したりした文書や図画、データなどです。

情報公開できる人と不開示情報について

どのような人でも文書公開を求めることができて、「不開示情報」が記録されていない限り、開示を受けられます。
不開示情報となるのは、主に以下のような情報です。

  •  個人情報
  •  法人等についての情報で、公にすると、法人の利益を損なう可能性のあるもの
  •  公にすると、国の安全が損なわれるおそれがあるもの
  •  公にすると、犯罪の予防や捜査等、秩序維持に支障が及ぶ可能性のあるもの
  •  国や地方公共団体の内部や相互の審議であり開示すると率直な意見交換ができなくなる可能性のあるもの
  •  国や独立行政法人などの業務遂行に支障を及ぼす可能性のあるもの

ただし、上記に該当するケースでも、行政機関の裁量によって開示をすることが認められます。

情報開示の手続き

国民から情報開示請求があると、請求時から、基本的に30日以内に開示の決定を行う必要があります。
開示の方法としては、閲覧をさせたり写しを渡したり、データを提供したりする方法で認められます。
また、不開示決定があったときには、国民は審査請求を行うことも可能です。

情報公開に対する基本的な責務について

政府や地方公共団体、独立行政法人等は、適切に情報提供をするための施策を充実させなければならず、特に独立行政法人の場合には、組織や業務、財務状況についての基本的な情報を記録した文書を作成し、適切に、国民が利用しやすい方法によって情報を提供しなければなりません。情報公開についての総合的な案内所の整備も求められています。

知る権利、アクセス権が争われた判例

次に、知る権利やアクセス権が具体的に争われた事例をご紹介します。

知る権利と情報公開法が問題となった判例(最判平成6年1月27日)

住民が大阪府に対し、公文書公開条例に基づいて情報公開した事案です。このとき、住民は、知事が支出した交際費についての公文書の公開を求めましたが、一部は開示、一部は非開示となりました。

住民らがそれに対して異議申立をしましたが、棄却されたので、その処分の違法性を争って裁判が行われました。この事件で、一審と二審は住民らの主張を認めて行政による情報公開拒絶処分を違法と判断しました。

しかし最高裁は、情報公開に応じるかどうかについては、知事自身が、個別具体的に、裁量によって決定すべきであるとした上で、すべての情報を公開すると、知事の交際事務を適切に行うことに著しい支障を及ぼすおそれがあるという理由により、原判決を破棄して差し戻しました。

この件では、国民の知る権利よりも、行政側の裁量が優先されたと言えます。

アクセス権が問題となった判例(サンケイ新聞意見広告事件・最判昭和62年4月24日)

昭和48 年12月2日、サンケイ新聞が、共産党を批判する内容の自民党による意見広告を掲載しました。これを受けて、共産党は、内容が誹謗中傷に満ちており、反論意見を促すものであるとして、サンケイ新聞に対して反論文の無料掲載を求めた事件です。

共産党が、サンケイ新聞というマスメディアに対し、反論掲載権というアクセス権を認めることができるかが問題となりました

結果として、一審も二審も共産党の訴えを認めず、原告が敗訴していました。

最高裁も、以下の理由により、上告棄却しています。

  •  そもそも、表現の自由にもとづいて、反論文の無料掲載請求権は認められない
  •  私人間(民間同士)において、憲法21条により、当然に反論文掲載の権利を導けるものではない
  •  人格権又は条理に基づく反論文無料掲載請求権は認められない。
  •  民法723条(名誉回復措置の要求)の存在はあっても、これによって反論文掲載請求権の根拠とまで解釈することはできない
  •  反論文の掲載請求権を認めると、マスメディアが望まない内容の掲載を強制されることとなり、そのために誌面も割かれるなど負担が発生するので、マスメディアの表現の時湯を侵害する危険性がある

以上のように、最高裁は、アクセス権を具体的に実現する法律がないことなどをも根拠として、アクセス権を否定しています。

まとめ

今回は、プライバシー権、知る権利、アクセス権について解説しました。

これらの権利については、知っているようで知らないことが多いものですが、安全にネットを使うためには必ず押さえておくべき知識です。

今回の内容を参考にして、違法行為に及ぶことなく、被害者なることも避けながら、上手にネットを使いましょう。

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