ネットで爆破予告、犯行予告してしまった場合の対処方法は?

爆破予告

ネット上では、普段おとなしい人でも、ついつい過激な発言をしてしまうことがあります。ときには、立腹したことや嫌がらせ、ふざけ半分などで、「爆破予告」「犯行予告」をしてしまうケースも見られます。

勢いでこのような悪質な書き込みをしてしまったら、その後どのように対応すべきなのでしょうか?

今回は、ネットで爆破予告や犯行予告をすると、どのような法的問題が発生するのか、逮捕されることがあるのかや、望まれる正しい対処方法をご紹介します。

1.爆破予告・犯行予告が行われるケースとは

ネットを使って爆破予告や犯行予告が行われるケースと言われても、急にはイメージしにくいかも知れません。
具体的に、どのようなものがあるのでしょうか?
まずは、これまでに発生した事件をいくつかご紹介します。

1-1.2008年の秋葉原無差別殺傷事件

今から約10年前、2008年に秋葉原で無差別殺傷事件が起こり、17人が被害を受けた事件がありました。実はこの事件の前、犯人は携帯電話向けの掲示板に「犯行予告」を行っていました。

事件後には、ネット上の掲示板や携帯のサイトにおいて、殺人や爆破予告をする模倣犯が相次ぎ、事件後の2週間程度の間に12人もの不当な投稿をした者が逮捕されることとなりました。

1-2.2017年、大学へ爆破予告の投稿が相次ぐ

2017年11月、早稲田大学に対し、「午前9時から午後2時までの間に、早稲田、戸山、西早稲田、喜久井町、所沢、日本橋などのキャンパスを爆破する」と予告するメールが届きました。犯人は、早稲田大学の関係者を名乗っており、メールには「止められるものなら、止めてみなさい。刃向かう人は、殺します」とも書いてありました。

これを受けて、早稲田大学は構内への立入を禁止して、1限から3限までの講義をすべて休講にしました。東京メトロ副都心線も、一部封鎖に追い込まれました。

結局、実際には何も起こらず、大学は4限以降の講義は通常通りに実施しました。

このような爆破予告の嫌がらせは、2017年10月以降、他の大学においても相次いでおり、たとえば大東文化大は5回もの爆破予告を受けました。警察は威力業務妨害罪の疑いで捜査を開始しています。

1-3.難病連のイベントに爆破予告があった事件

2017年12月17日、北海道旭川市内のホテルにおいて「難病連」がクリスマスパーティを開いていましたが、その日の午後0時半頃、会場に「爆弾を仕掛けた」と告げる電話があました。

これにより、警察が館内にいた400名のゲストに避難を指示したため、全員がパーティを中止して、避難を余儀なくされました。難病連のイベントであったため、車いすの人や病気があって移動が難しい人も多く、大変な騒ぎとなりました。

結局、爆発物は見つからず、悪質ないたずらであったと考えられて、警察が調べを進めています。

1-4.小学校に爆破予告があった事件

2017年11月、横浜市内の小学校にも爆破予告が行われました。同月22日の午前8時20分頃、市立東汲沢小学校の郵便ポスト宛てに「爆弾を爆発させる」と書かれた手紙が投稿されて副校長が発見したのです。

学校は警察へ通報し、授業を早めに切り上げて、子供達を下校させる対応に追われました。この件でも、結局敷地内から不審物が見つかることはなく、悪質ないたずらであったと考えられています。

1-5.森友学園が2ちゃんねるで爆破予告を受けた事件

大阪市の学校法人「森友学園」は、大阪府豊中市内に小学校開設を予定していましたが、2017年2月、ネット掲示板である「2ちゃんねる」において「小学校の開設予定地を爆破する」という書き込みが行われました。

学園は警察に被害届を提出し、警察が威力業務妨害の疑いで捜査を行っています。実際には不審物は発見されておらず、やはり悪質な嫌がらせであると考えられています。

1-6.周航観光船が爆破予告された事件

2017年11月、日本三景である京都の天橋立で、周航観光船に「爆弾をしかけた」という電話がかかってくる事件がありました。これにより、宮津市の運航業者は、天橋立近辺の6便を休航せざるを得ず、業務を妨害されました。

この件では、既に警察が犯人を威力業務妨害の疑いで逮捕しています。犯人は「むしゃくしゃしていたのでやった」と延べ、容疑を認めました。

また、この日の昼までの間に、日本全国(北海道から沖縄)各地で数十件に及ぶ爆破予告の電話がありました。これにより、京阪電鉄では三条駅が一時閉鎖されましたし、大阪府内の百貨店でも客の避難が行われ、琵琶湖の周航観光船や広島県の宮島へ向かうフェリーなども運航中止に追い込まれました。

いずれの事件も、同じ容疑者の携帯電話からの発信であったことから、関連性が疑われています。

2.爆破予告によって生じる社会的影響

2-1.犯人は、真剣に捉えていないことが多い

以上のように、現実にも爆破予告や犯行予告が行われるケースは非常に多いです。

上記でご紹介した中には、ネットだけではなく電話や手紙によって行われたケースもありますが、今後はネット社会になっていきますし、ネットの方が手軽ですから、ネットによる犯行が増えていくことが予想されます。

ただ、爆破予告をする犯人は「むしゃくしゃしていた」「いたずら半分」などという理由で犯行に及ぶことが多く、あまりことの重大性を意識していないものです。実際には爆弾を仕掛ける例も少なく、単に「予告だけ」で終わる件が多いことも特徴的です。

このように、実際には爆弾を仕掛けていないのに、爆破予告しただけで、なぜ問題になるのでしょうか?爆破予告によって、社会に対し、現実にどのような影響が及ぶのか、確認しておきましょう。

2-2.被害者が対応に追われる

まず、爆破や犯行予告を受けた被害者は、各種の対応に追われることとなります。たとえば、学校が爆破予告を受けたら急に休講にしなければなりませんし、イベント会場に爆破予告されたら、イベントを中止して参加者を退避させなければなりません。

非常に大きな迷惑をかけることになります。

2-3.被害者の業務が妨害される

また、被害者の「業務が妨害される」問題もあります。たとえば、学校が爆破予告を受けたら、普段の授業ができなくなって妨害されますし、観光船が爆破予告を受けたら休航を余儀なくされて、乗船予定であった乗客にも影響が及びます。運航会社は、本来得られるはずだった乗船料を得られなくなってしまいます。

地下鉄などが爆破予告をされると、地下鉄を止めないといけなくなり、莫大な損失が発生します。

2-4.警察が動員される

爆破予告や犯行予告があると、警察が対応に乗り出します。爆発物が置かれていないか、専門の処理班が実際に現場にやってきて、詳細に調べなければなりません。ただの「嫌がらせ」「悪ふざけ」であっても、警察は真面目に対応しなければならないのです。

本来であれば、他の重大な事件に対応して、たとえば殺人や放火などの悪質な事件を阻止することもできたかも知れないのに、悪ふざけの爆破予告のために労力を割かれては、そういったことも難しくなります。

ネット上の投稿は、行うのは非常に簡単ですし、書いた本人は「このくらい、たいしたことない」などと考えていることが多いのですが、実際には大変な影響や営業被害が発生するので、絶対にしてはいけません

3.爆破予告で成立する犯罪

もしもネットで爆破予告をしてしまったら、どのような犯罪が成立する可能性があるのでしょうか?

3-1.威力業務妨害罪(刑法234条)

爆破予告、犯行予告で成立する典型的な犯罪が、威力業務妨害罪です。威力業務妨害罪は、力や威勢を示すことによって、被害者の業務を妨害したときに成立する犯罪です。

「殺すぞ」「爆発させるぞ」などの内容は、明らかに威勢を示して相手を威圧させるものですから、これによって対象者の業務を妨害すると、威力業務妨害罪となります。実際に、上記で紹介した事件の多くは「威力業務妨害罪」として捜査が行われていますし、犯人が逮捕された件もあります。

威力業務妨害罪は、親告罪ではないので、被害者が刑事告訴をしなくても、警察がことの重大性を重視すれば捜査が開始されます。

威力業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑です。

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3-2.脅迫罪(刑法222条)

次に成立する可能性のある犯罪は、脅迫罪です。

脅迫罪は、被害者やその親族の生命、身体、事由、財産、名誉に対して危害を加えることを示し、相手を脅したときに成立する犯罪です。ネット上の投稿でも、それが相手を脅す内容になっていたら、脅迫罪が成立する可能性があります。

脅迫罪の被害者になりうるのは、基本的に個人のみであり、法人は対象になりません。ただし、法人に対する脅迫行為であっても、それが脅迫行為を受けた個人(受け付けた担当者や経営者など)に対する脅迫であると評価できるのであれば、脅迫罪が成立する可能性があります。

たとえば、イベント会場に対する爆破予告をした場合、イベント会社そのものへの脅迫罪は成立しなくても、イベントに参加する個人やイベント会社の経営者、担当者などの「個人」への脅迫罪が成立する可能性があるということです。

脅迫罪の法定刑は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑です。

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3-3.強要罪(未遂罪含む)(刑法223条)

ネットによる爆破予告や犯行予告が「強要罪」となるケースもあります。
強要罪は、被害者を脅迫することにより、義務のないことを無理矢理行わせたり、権利行使を妨害したりする場合に成立する犯罪です。
たとえば、ネット掲示板などに「〇〇しないと爆破するぞ」と書き込んだり「〇〇をするなら爆発物を仕掛ける」などと投稿したりすると、強要罪となる可能性があります。
強要罪には未遂罪があるので、たとえ相手が指示に従わなかったとしても、共用未遂罪が成立して処罰される可能性があります。

被害者が法人であるときの考え方は、脅迫罪と同様で、法人に対する強要行為でも、それが個人に対するものと同視できる場合には、その個人に対する強要罪が成立します。

強要罪の法定刑は、3年以下の懲役刑です。

上記の脅迫罪も強要罪も、親告罪ではありません。被害者が刑事告訴しなくても、ことの重大性によっては警察が自ら捜査に着手する可能性があります。

4.爆破予告すると、バレるのか?逮捕されるきっかけは?

以上のように、ネット上で爆破予告や犯行予告をすると、実際には犯罪を行わないとしても、さまざまな犯罪が成立する可能性があります。

このような投稿をすると、実際に警察にバレることがあるのでしょうか?犯人が逮捕された事例は、どういった経緯で警察が動くこととなったのか、いくつかパターンがあるので、確認しましょう。

4-1.被害者が被害届を提出する

もっとも多いのは、被害者が警察に被害届を提出するパターンです。ネット上における爆破予告が犯罪になることは世間一般に知られているので、こうした脅迫を受けると、多くの被害者はすぐに警察に被害を申告します。

すると、警察が投稿内容を確認し、捜査を開始して、いずれは犯人が特定されて、逮捕されることになります。

4-2.第三者が告発する

被害者が何らかの事情によって被害届を提出しない場合でも、第三者が警察に告発するケースがあります。犯罪の申告は、被害者本人ではなくてもできることになっているからです。

たとえば、2ちゃんねる(5チャンネル)などのネット掲示板において、あからさまに悪質な爆破予告の投稿などが行われていたら、それを見て驚いた他のユーザーが警察に通報する可能性が高くなります。

4-3.サイバーパトロールで判明する

近年では、悪質なネット犯罪が非常に増加しているため、警察も規制強化に努めています。常日頃からサイバーパトロールを行い、不審な投稿があったら調査して取り締まりをしているのです。

そこで、ネット上で爆破予告や犯行予告をしていると、警察のサイバーパトロールの目にとまって逮捕につながるケースがあります。

4-4.匿名でも逮捕されるのか?

ネット上で投稿を行うとき、たいていの人は「匿名」です。実名を明かしていなくても、警察に突き止められて逮捕されることがあるのでしょうか?

確かにネット上で投稿するときには、自分の氏名等の情報を記入しなくても良いものですが、そうであっても、実際には投稿者を特定する手続きがあります。IPアドレスなどの記録をたどり、プロバイダに照会すると、最終的に情報の発信者の個人情報にたどり着くことができるのです。

一般の人が被害者となった場合には、弁護士に対応を依頼することによって発信者情報を開示させることができますし、捜査機関であれば、より簡単に情報を得ることが可能です。

そこで、匿名で投稿していたとしても、いずれは警察に特定されて、自宅などに踏み込まれることになってしまいます。そうなってからでは遅いので、ネット上で爆破予告や犯行予告をしたのであれば、罪が重くならないように、適切に対応することが要求されます。

5.爆破予告と損害賠償請求

ネット上で爆破予告とすると、さまざまな犯罪が成立する可能性がありますが、それだけではなく「民事責任」も発生することを無視してはいけません。

民事責任とは、損害賠償責任のことです。

先にも説明した通り、爆破予告や犯行予告をすると、被害者には多大な損失が発生することがあります。たとえば、イベントを急に中止にすると、参加者への払戻し金が発生したり避難のために余計な費用が発生したりする可能性があります。

地下鉄を休止すると、乗客が影響を受けますし、電鉄会社には莫大な損失が発生します。

観光船を運休した場合にも、本来得られるはずの乗船料金を得られなくなり、営業損失が発生します。

そこで、爆破予告や犯行予告をすると、民法上の不法行為が成立して、被害者らからさまざまな営業損失の賠償金を請求される可能性が非常に高くなります。そうした賠償金の金額は、通常一般の人では、到底払いきれないほどの金額になることも多いです。

支払いができないなら、自己破産すれば良いと思うかもしれませんが、悪質な犯罪による損害賠償債務の場合、自己破産しても免責されない可能性もあります。

6.爆破予告してしまったときの対処方法

もしも、軽い気持ちであっても、ネット上において爆破予告や犯行予告の投稿をしてしまった場合、どのように対応するのが良いのでしょうか?

この場合、警察の捜査が始まる前に、早めに自首すべきです自首とは、犯罪が発覚する前に捜査機関に罪を申告することです。自首が成立すると、刑事的な処分を軽くしてもらえます。

たとえば本来なら起訴相当である場合であっても、自首すれば不起訴にしてもらえる可能性が高くなります。不起訴処分を受ければ、刑事裁判になることもありませんし、被告人として裁かれたり刑罰を科されたりすることもありません。

また、自首すると、逃亡のおそれがないと判断されやすいので、逮捕されず、身柄拘束されないままで捜査が進められる可能性が高くなります。そのまま不起訴になれば、特に大きな不利益を受けることもなく、問題を収めることができます。

万一起訴されてしまった場合でも、刑を軽くしてもらえるので、罰金刑で済んだり執行猶予がついたりする可能性が高くなり、被疑者被告人にとっては有利です。

ただし、自首した方が良いと言われても、心理的に抵抗がある方が多いでしょう。「もしかして、このまま見つからないかも知れない」という可能性に賭けたくなる気持ちもあるものです。

そのようなときには、一度、刑事事件に強い弁護士(刑事弁護に強い弁護士)に相談してみましょう。そうすれば、ケースに応じたもっとも適切な対応方法をアドバイスしてくれますし、自首が必要な場面であれば、弁護士が段取りをして、スムーズに進むように手配してくれます。

また、被害者に対して謝罪すること、できるだけ被害弁償を進めることも重要です。

刑事事件では、被害者に民事賠償を終えていると、情状が良くなって処分が軽くなるからです。

ただ、爆破予告の被害額は莫大になることもあり、被害者自身が示談交渉をしても、成立させることが難しいことが多いです。そういったときには、示談交渉の対応も、刑事事件専門の弁護士を窓口にする方が安心です。

ネットで爆破予告、犯行予告してしまった場合、自己判断で行動して、後に重い罪や多額の損害賠償請求を受けると不利益が大きくなりますので、まずは、専門家の意見を聞いてから行動すると良いでしょう。

まとめ

今回は、ネット上で爆破予告や犯行予告を書き込んでしまった場合の法的問題と対処方法について、解説しました。軽い気持ちであっても、このような行為をすると、思ってもみなかったような重大な犯罪が成立したり、多額の損害賠償請求をされたりする可能性があります。

少しでも有利に状況を解決するためには、専門家である弁護士の助けを借りることが重要です。

自分一人で自首する踏ん切りがつかない場合や被害者と示談したい場合、なるべく早めに刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。

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