「やらせ口コミ」は景品表示法上に問題!悪評が書き込まれた時の対処法

品質と価格と満足度のイメージ

「やらせ口コミ」にはどんな法律上の問題点がある?

皆さんは「やらせ口コミ」という言葉をご存知ですか?

食べログなどで一時問題となった、虚偽の情報を書き込んで店の評価を上下させる口コミのことです。

口コミは、今や多くの人が店や商品を見定める大きな指標となっています。

これに虚偽があれば、消費者の情報に偏りが出るだけでなく、虚偽の情報に左右されてしまう危険性もあります。

この「やらせ口コミ」については、最近では大きな社会問題となりつつあり、消費者庁も警告をしています。

そこで今回は、「やらせ口コミ」の法律上の問題点を解説いたします。

「やらせ口コミ」で消費者庁が警告。何が問題なの?

まずは、「やらせ口コミ」とはどんな問題なのかを理解していきましょう。

やらせ口コミとは

「やらせ口コミ」とは、どのようなものなのでしょうか。

「やらせ口コミ」とは、食べログなどの飲食店等の口コミサイトにて、代行業者に口コミを依頼し、実際に客が飲食したような書き込みをさせる口コミ方法のことです。サイト内での評価を上下させ、客寄せの1つとして利用されています。

以前から、「店側が書いているのでは?」など噂があった飲食店の口コミサイト上の書き込みですが、消費者庁も警告を出しております。消費者庁は、嘘の情報を書き込むことで評価を上下させるのは、景品表示法(景表法)上の問題があると指摘しています。

参考外部サイト(消費者庁):インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項[PDF: 519KB]

景品表示法とは

景表法とは、不当景品類及び不当表示防止法の略称です。少し言い回しとして長いため、一般的には景表法として表現しています。景表法の目的は、第1条に規定されています。

条文の中では、詳しく内容が書かれていますが、簡単に言うと「消費者保護」が目的です。今回の「やらせ口コミ」は、この消費者保護の目的に反する行為ということになります。

調査によると、14の飲食業者が代行業者に口コミを依頼していたことが判明しています。

処分は見送っていますが、「優良評価を得ているように表示すること」自体が、景表法の「優良誤認」に当たる可能性が高いと判断しています。

これに対し、食べログなどの口コミサイト側は、やらせ口コミをなくすために、複雑な評価方法を考える取り組みを進めています。

やらせ口コミの2つのパターンとは?

「やらせ口コミ」は、消費者庁が警告を発するほどの社会問題になっています。

上記のようにご説明すると、「やらせ口コミ」は優良評価を作り出す手法のみだと思われてしまうかもしれませんが、実は、これだけではありません。

実際には、2つのパターンが存在します。

1つめのパターンは、実際の評価よりも高く見せるケースです。

よくあるのは代行業者に頼んで、良い評価の口コミを書いてもらうケースとなります。

代行業者もマーケティングの1つの手法として大々的に売り出し、口コミサイトの評価に悩む店主を誘引しています。代行業者に依頼すれば、良い口コミを書いてもらえるため、これを利用してしまうお店も存在するのです。

2つめのパターンは、実際の評価よりも低く見せるケースです。

自分の店の評価を低く見せるなんておかしいですよね。確かに、自分の店の評価をわざわざ低く見せる店主はいないでしょう。

ですが、自分のお店以外ならどうでしょう?競合する店舗の評価を下げてしまえば、自分の店にお客さんが多く入ることが想定できます。この点をうまくつき、代行業者が暗躍しているのです。

もちろん、このようなやり方は道徳的にもかなり問題があります。消費者庁が指摘しているように、景表法に反する疑いがあるため、お店を経営している方は利用しないようにしてください。

このように、「やらせ口コミ」には2パターンが存在します。「絶対儲かるマーケティング手法」「ネット口コミ対策」「MEO(Googleマップで上位表示)」などといって、口コミ代行、評価代行を売り込んでくる業者には気をつけてください。

やらせ口コミの事例

食べログ

食べログは、飲食店を探す上で重要になります。食べログに「やらせ口コミ」が横行したとして、問題になりました。

参考(日本経済新聞):「食べログ」やらせ投稿、景表法に抵触 消費者庁が指針発表 

楽天

インターネット通販大手「楽天市場」で、店舗や商品に関するやらせの評価(レビュー)を11万件以上投稿された問題が発覚しました。

参考(産経新聞):楽天市場のやらせ投稿問題…楽天が業者と和解、大阪地裁

Goole口コミ(Googleマイビジネス)

最近増えているのが、Googleマップ上で上位に出るために、「やらせ口コミ」を書き込むケースです。

Googleマップ上で上位表示されるには、口コミが多数書き込まれているというのが評価基準になっています。Googleマップ上で上位に表示させるために、やらせ口コミをする代行業者もいますので、気を付けましょう。また、悪口を逆に書き込む例もあるので注意が必要です。

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やらせ口コミの規制と罰則

代行業者に依頼したかはさておき、自分の店に虚偽の悪評が書き込まれたとします。これは具体的に、どのような法律違反になるのでしょうか。法律の仕組みから罰則までを説明します。

景表法の不当表示ってなに?

消費者庁が指摘する「優良誤認」表示について少し理解していきましょう。

景表法は、第5条に「不当表示」に関する規定をおいており、「一般消費者を誤認させるような表示」を禁止しています。具体的には、2つの問題が規制されています。

優良誤認表示

1つめは、「優良誤認表示」に関する規制です。

5条1項では、「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し…不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるもの」と規定しています。
例えば、実際は糖質が多量に含まれている商品であるのに、糖質ゼロと表示すれば、優良誤認表示にあたり景表法5条1項違反となるのです。

有利誤認表示

もう1つは、「有利誤認表示」に関する規制です。

同条では、「…他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し…一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるもの」も規制の対象としています。

例えば、他社の製品との実際上の違いはないのにもかかわらず、「当社の製品はーという点で優れています」と表示すれば、他社製品より優良だと消費者が勘違いするため、有利誤認表示として規制を受けます。価格面で「今だけこの価格!」と記載しずっと同じ価格のままのケースも、この有利誤認表示の一例です。

やらせ口コミが問題となるケースでは、「優良誤認表示」の問題です。店主側が代理業者に嘘の口コミを書かせるケースでは、「ここの唐揚げは最高に美味しいです!サービスも抜群でした!」と表示すれば、嘘の内容を宣伝していることになります。実際に美味しくても、客が書いていないものなので虚偽の口コミであり、優良誤認表示とされる可能性があるということです。

広告の方法は、景表法との関係で問題となります。ネット上では、一時、芸能人等の著名人が商品を宣伝するステルスマーケティングが問題となりましたが、「やらせ口コミ」も同様の問題です。新しい広告手法が生まれる度に、「消費者に嘘をついていないか・知らせていない重要な事実はないか」がポイントとなります。

景表法違反の罰則は?

では、景表法5条1項に反した場合の罰則はどのような規定になっているのでしょうか。

景表法8条には、課徴金に関する規定があります。

5条1項に反した場合は、「当該課徴金対象行為に係る課徴金対象期間に取引をした当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付すること」が命じられます。

つまり、優良誤認表示として不当表示であると判断された場合には、売上の3%が課徴金として課されることになるのです。

3%と聞くと、そこまで大した額ではないように感じますが、売上の3%とは、やらせ口コミを行った(表示した)期間のすべての売上が対象となります。そのため、課徴金は、表示期間が長ければ長いほど大きな額となってしまうのです。

このように、不当表示として判断された場合には、課徴金が科されることがあります。また、もちろんですがこれ以外にも、不当表示の差止めや予防措置等が命ぜられます。

やらせ口コミは、課徴金以外にも罰則があるって本当?

実は、実際の評価よりも低く見せる「やらせ口コミ」には、直接的な法律違反である景表法違反以外でも、他の罪が成立する可能性があります。以下、具体的に見ていきましょう。

刑事上の罪は?偽計業務妨害、信用毀損罪

「やらせ口コミ」を行うと、刑事上の罪が課せられる可能性があります。具体的には、①偽計業務妨害罪と②信用毀損罪です。以下、詳しい内容をご説明します。

偽計業務妨害罪

偽計業務妨害罪は、刑法233条に規定される犯罪です。具体的には、「偽計を用いて、その業務を妨害した者」が対象となります。偽計とは、虚偽の事実等で相手を錯誤に陥らせ、騙すことをさします。業務を妨害とは、継続して行う社会的活動を妨害する行為を指し、お店の営業などはこれにあたります。

偽計業務妨害罪が成立する場合は、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が課せられる可能性があります。課徴金とは異なり、懲役が科される可能性もある重い罪です。

競合する店舗などに悪評を書き込れた場合、偽計業務妨害罪として犯人を逮捕してもらうことも可能です。やらせ口コミの被害に遭われた場合は、警察や弁護士に相談してみてください。

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信用毀損罪

信用毀損罪は、偽計業務妨害罪と同じく、233条に規定される犯罪です。具体的には、「虚偽の風説を流布し、人の信用を毀損した」場合に罪が課される可能性があります。虚偽の風説とは、事実とは異なるデマのことです。つまり、「虚偽の風説を流布」するとは、嘘の噂などを広めることをさします。真実である場合には問題となりません。また、「人の信用を毀損」とは、個人や企業などの他人の経済的信用を貶める行為をさします。

そして、信用毀損罪が成立する場合には、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が課される可能性があります。

やらせ口コミでは、競合店から、「あの店で食中毒にあった」などの虚偽の書き込みを行われたとします。お店の売上やお店の評価が下がってしまった場合には、信用毀損罪が成立すると考えることができます。嘘の書き込みをされたら、警察や弁護士に相談してみてください。

信用毀損罪に関して詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

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このように、刑事上は2つの罪が成立する可能性があります。これは、お店だけでなく、個人も同じです。

民事上の損害賠償請求、お店の信頼低下

刑事事件として立件される可能性があるだけではありません。悪評を書かせたライバル業者に対して、損害賠償請求出来る可能性もあります。

例えば、競合する店舗から、嘘の情報を書き込まれたとします。

  • 「食中毒にあった」
  • 「まずかった」

など実際に食したわけでもないのに、代理業者が、社会的評価をおとしめるために行ったとします。この評価の結果、店の売上が落ちたり、イメージが悪くなって損害が発生した場合には、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)を行うことも可能です。どれくらいの請求が行われるかは、個別ケースにもよりますが、大きな損害が出ていた場合には数百万単位の請求になってしまうことも想定できます。

インターネットの普及により、最近では信用失墜も加速度的な速さで進んでいきます。何か問題が起きてしまったら、すぐに対応しないと手遅れになるケースもあると理解しておきましょう。

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悪評被害にあったら?弁護士に相談を

「やらせ口コミ」は、社会問題にもなっています。お店を経営されている方は、「知らないうちに巻き込まれていた」なんてことがないよう、代行業者に十分注意してください。

また、ありもしない悪評が書かれてしまうこともあるかもしれません。

そんな事態に遭遇したら、弁護士にご相談ください。誰が何の目的でそんなことを行ったのかを特定し、損害賠償を請求しましょう。口コミはお店の評価・売上にもつながるとても重要な指標です。

お店への影響は計り知れません。

事態が大きくならないうちに、削除を行い、犯人の特定を行った上で、目を摘んでおくことも大切です。お店への悪評、「やらせ口コミ」でお困りの方は、弁護士にご相談ください。

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