著作権法改正案と違法ダウンロード規制|2020年通常国会提出予定

著作権法改正案

2019年から違法ダウンロードの規制を強化する著作権法改正案が議論されていることをご存じでしょうか。
最初の改正案では、漫画なども違法ダウンロード禁止の対象にすると同時に、1コマでもNGという厳しい基準が設けられ、多くの批判がされました。

こうした批判を受け、見直した著作権法改正案が2020年の通常国会で提出される見込みです。
今回は、この違法ダウンロードに対する著作権法改正案について、現時点ではどのように決まっているのかをご紹介します。

違法ダウンロードの厳格化

なぜ著作権法の改正がされようとしているのか

そもそも、なぜ違法ダウンロードの取り締まりを強化するような改正案が考えられるようになったのでしょうか。
それは、「海賊版サイト」が関係しています。

2018年から社会問題にもなった「漫画村事件」を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
海賊版サイトでは様々な漫画や小説が違法アップロードされており、運営者はサイトから広告収入を得ています。

しかし、本来利益を得るはずの著作権者(原作者など)には収益が入りません。
このような自体は漫画だけでなく、雑誌や写真集、ゲーム、論文などで同様の被害が生じています。

著作権者の収入の激減や、それに起因する文化の衰退といった懸念から、海賊版サイトへの取り締まりが強化されるようになったのです。

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2度目の著作権法改正案

先述したように、一番初めに出された改正案は、個人ブログからのダウンロードやスマホでのスクリーンショットも規制される行為となり、漫画のうち1ページ1コマでも違法というかなり厳しい基準が設けられていました。
この厳しすぎる基準には「ネット利用や創作活動の萎縮を招く」「著作権者側の理解を得られていない」といった批判がされ、一回目の改正案は見送りとなっています。

しかし、検討会で改善を重ねて、現代に合わせた改正案になるように今でも検討され、2020年2月25日には与党内で法案が了承されました。

以下では現時点で考えられている改正案に基づいて、どのように改正される方向になっているのかをご紹介していきます。

著作権法改正案と違法ダウンロードの規制

違法アップロード・ダウンロードに関する項目は、刑事罰が与えられるものや民事措置ができる場合など、様々な場合分けがされています。
刑事と民事に分けて見ていきましょう。

違法アップロードとなる対象

まずは違法アップロードとなる対象についてです。
従来は音楽と動画のみが対象となっていましたが、今回の改正案では「著作物全般」、つまり小説・写真・論文・絵画などあらゆる創作物が含まれることになります。

民事措置ができる対象 違法にアップロードされた著作物全般(複製)
刑事罰がある対象 違法にアップロードされた著作物全般のうち、正規版が有償で提供されているもの(複製)

違法ダウンロードの対象の範囲|スクリーンショットは?

次に対象の範囲です。

画像をそのままダウンロード(保存)するだけでなく、スクリーンショットをして画面保存する行為も対象になります。
しかし、ダウンロードやスクショをしたとしても、場合によっては分量で適法となる可能性もあり、軽微なものは除外されています。

著作権法改正案 違法の範囲

 

ただ、「具体的に何コマまでOKなの?」「軽微なものってどのくらい?」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。
この部分の判断基準は、違法ダウンロードした元の作品を軸に考えることになっています。

例えば、1コマ漫画のうちの1コマを違法ダウンロードしたとなると、「軽微なもの」とは言えず違法になります。
しかし、数ページの漫画のうちの1コマであれば「軽微なもの」と言える可能性が高いでしょう。

このように、元の作品から考えてどの程度なら軽微とは言えないのか、常識的に考えて判断が行われるとされています。

違法ダウンロードした本人の要件

故意犯に限定

違法ダウンロードによって罰せられるのは、そのコンテンツが違法にアップロードされたものであることを「知りながら」ダウンロードした場合のみです。
つまり、故意(わざと)の場合に限られ、過失(うっかり知らなかった)場合は除外されています。

民事・刑事共通 違法にアップロードされたものだと知りながらダウンロードした場合 ×違法
過失(重過失含む)、適法・違法の評価を誤った場合 ◯適法

ダウンロード回数等

民事では一回の違法ダウンロードでも違法行為となる一方で、刑事の場合はこの違法ダウンロードが「継続的に又は反復して」数回行われている必要があります。
加えて、刑事の場合は著作権者自身から訴えなければいけません(親告罪)。

以上の要件を満たし、刑事罰を科された場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、又はその併科がされます。
民事はそもそも著作権者自身が起こすものなので親告の有無を考える余地はありません。

二次創作は違法ダウンロードの対象になるの?

原作を元に、ファンなどが新たに創作を行う「二次創作」も違法ダウンロードの対象となるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回の改正案における違法ダウンロードは、一定の条件のもとで二次創作も対象に含まれます。

著作権法改正案 二次創作

ただ、二次創作も対象になるといえども、そもそも二次創作自体が原則として違法であることに変わりはありません。
自分で書いた二次創作でも、原作者に無断でサイトにアップロードした場合は著作権法28条で保障される「二次的著作物の利用に関する現著作者の権利」を侵害することになります。

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私的使用もダメなの?

私的使用のためであっても、違法にアップロードされたものをダウンロードすることは許されません。
勿論、適法にアップロードされたものであれば、私的使用の範囲で利用することは可能です。

リーチサイト、リーチアプリへの対応

リーチサイト(アプリ)とは?

リーチサイトとは、それ自身には違法アップロードしたコンテンツを掲載せず、他のウェブサイトへのリンクなどを提供することで、違法アップロードされたコンテンツに利用者を誘導するようなサイトのことを言います。リーチアプリはそのアプリ版です。

サイトの中に「今なら無料で〇〇が全巻読める!ここをクリック!」という文言があったり、匿名掲示板で「無料で映画が見れるリンクを貼るスレ」というタイトルを見かけたことがないでしょうか。
そのリンクが違法コンテンツに繋がっていた場合は、それがリーチサイトです。

従来はリーチサイト(アプリ)を取り締まるような規制がありませんでした。
しかし、今回の改正案が通れば、リーチサイト運営者及びリーチアプリ提供者を民事でも刑事でも訴えることができるようになります。

リーチサイト運営者・リーチアプリ提供者が罰せられる要件

リーチサイト(アプリ)提供者が以下の要件を満たした場合は、著作権や著作隣接権などを侵害したとみなされ、刑事・民事で訴えることが可能になります。
また、サイトやアプリを提供していなくても、リーチサイト(アプリ)にリンク情報を掲載したリンク提供者も規制の対象になります。

規制要件 規制措置
サイト運営者
アプリ提供者
リンク提供の事実を知っており、かつ、リンク先のコンテンツが侵害コンテンツであることについて故意・過失がある場合において、リンクを削除できるにも関わらず、削除せず放置した 【刑事罰・非親告罪】
5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその併科
【民事】
差止請求・損害賠償請求が可能
リンク提供者 侵害コンテンツを、違法アップロードされたものだと知って頒布したり、頒布目的をもって所持した
また、頒布する旨の申出をしたり、輸出や輸出目的で所持した
【刑事罰・親告罪】
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科
【民事】
差止請求・損害賠償請求が可能

ここで注意したいのは、リーチサイト(アプリ)提供者は著作権者自身が訴えなくても刑事罰が問われる「非親告罪」であるということです。
非親告罪は、著作権者からの訴えがなくても警察や検察が捜査・起訴することができ、かなり強い規制であることが分かります。

まとめ

以上が現段階における著作権法改正案の概要です。

従来は利用者が罰せられことはありませんでしたが、改正案が通れば「無料だから」「皆使っているから」と違法ダウンロードをしていると、最悪の場合逮捕されることもあります。
また、違法コンテンツを利用することで原作者にお金が入らなかったり、自分のスマホの情報が抜き取られる危険性があるといったデメリットも存在します。
正規のコンテンツを利用するように心がけましょう。

また、今回紹介した改正案で確定というわけではなく、まだ議論は続いています。
そのため、今後どう変わっていくか注意することが必要です。

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