二次創作は著作権侵害なの?二次創作ガイドライン

nijisousaku

Twitter、pixiv、コミケ、オンリー…現代では様々な場所で二次創作が行われています。

二次創作を楽しむ人であれば「二次創作はグレーゾーン」「著作権侵害にあたる」などということを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

それって本当なの?と疑問に感じている人のために、今回は二次創作と著作権の関係について詳しく解説していきます!

 二次創作は著作権侵害なの?

二次創作とは

「二次創作」「二次創作物」という用語は法律用語ではなく、一般に、元となる作品をベースとして作られた作品を広く「二次創作(物)」と呼んでいます。

他方、著作権を定める著作権法には「二次的著作物」という法律用語があります。(2条1項11号)
しかし、必ずしも「二次創作」=「二次的著作物」となるわけではありません

「二次的著作物」とは原作(原著作物)に新たな創作性を加えたものを指します。
例えば、既存のキャラクターを借りていても、新たに独創的なアレンジで描いたイラストや、自由な発想でストーリーを展開させた同人誌は二次的著作物になります。

その一方で、模写やトレースなど、既存のイラストをただ写したものは創作性が加えられていませんので二次的著作物にはあたりません。
このような単なるコピーは二次創作にもあたりません。

また、原作を風刺・批判目的をもって(勿論批判のみに限りません)模倣した作品をパロディ、尊敬する作家や作品に影響を受けて似たような作品を作ることをオマージュと呼びます。
これらは、元の作品をベースにしている点で二次創作に含まれるとともに、オリジナリティが加わった二次的著作物にあたる場合が多いといえます。

二次創作って著作権侵害なの?

結論としましては、著作権侵害です
何が、どのように侵害しているのかは以下のように考えられます。

模写やトレース

模写やトレースは「複製権」侵害(21条)とあたります。
「複製権」とは作品の印刷・撮影・複写・録画など、文字通り複製する権利です。
この権利は著作権者のみが持ちます。

後述しますが、複製権は私的使用をする場合は許されており、買ったCDや漫画をコピーして他人に売ったりあげたりすると、侵害したことになります。

原作を改変すること

原作を改変、つまり、既存の作品を元に違う作品をつくることは「翻案権」(27条)・「同一性保持権」侵害(20条1項)にあたります。

「翻案権」とは、自分の著作物の翻訳・編曲・映画化など、表現方法を変えて新たな著作物を作る権利です。
英語の文章を勝手に翻訳してネット上にあげてしまったり、漫画のキャラクターのフィギュアを勝手に作製すると、この権利を侵害してしまいます。

また、「同一性保持権」とは、自分の作品を意に反して改変されない権利です。

上記の二つは、既存のキャラクターや設定などを元に描く二次創作と直に関わってくる権利であるといえます。

著者の名前を書かない

自分の二次創作物に元にした作品の著作者の名前を表示しないことは、「氏名表示権」侵害(19条1項)となります。

「氏名表示権」とは、著作権者が自分の氏名を表示するか否かやペンネームを使うかなど、自由に決められる権利です。
著作者が氏名を表示したくないのであれば表示しなくてもいいのですが(むしろ表示してはいけません)、大体のアニメや漫画には著作者の氏名がありますので、その氏名の通り表示しなければ氏名表示権の侵害となります。

基本的に許可がされていない二次創作は著作権侵害

原作者には、「二次的著作物を作製されない権利」、つまり上記で説明した「翻案権」「同一性保持権」が保障されています。

したがって、二次的著作物の勝手な作製自体が著作権の侵害であり、たとえ元の作品に独創性を加えた「二次的著作物」にあたる場合でも、著作権侵害となります。

著作権侵害になると、刑事・民事どちらでも訴えることができ、刑罰になると10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれを併科されます。

著作権法第119条1項

著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者…(中略)…は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

ですが、同人誌などの二次創作に限って言えば、実際に訴えられているという事例はあまり聞きません。
それは、刑事訴訟については、日本が著作権について親告罪をとっていることに関係があります。

「親告罪」って?「グレー」と言われることとの関係性

親告罪とは

では、「親告罪」とはなんでしょうか。

これは被害者からの告訴がなければ検察が起訴(公訴の提起)ができない犯罪のことです。

つまり、著作権侵害で誰かを処罰してほしいと訴えられるのは著作権者本人であり、他人がいくら著作権侵害だと言っても著作権者が訴えなければ罪にはなりません。

なぜ「グレー」と言われているのか

二次創作がグレーと言われていることの所以はこの親告罪というシステムにあります。

要するに、法的に二次創作はアウト(ブラック)だが、著作者が刑事でも民事でも訴えることはめったになく、黙認されているから「グレー」であるということなのです。

なぜ黙認されているのか

では、なぜ二次創作は黙認されているのでしょうか。
これには様々な理由があります。

新しい人材を育てるのに役立つから

漫画やイラストを描く人の中には既存のアニメや漫画が好きな人が多くいます。
その中で二次創作から一次創作(オリジナルの作品)に挑戦する人も少なくありません。

最近では二次創作の片手間に描かれた漫画がTwitter等で人気になり、書籍化されることもあります。
二次創作はコンテンツ産業を発展させていくための土台となっている部分があるのです。

著作者が二次創作に理解がある人だから

前述したとおり、二次創作から一次創作に挑戦した人も多く、二次創作に理解があるため黙認しているケースもあります。

むしろ実際に、原作を描く著作者がコミケなどで本を出すこともあります。

二次創作によってその作品に人気がでるから

様々な人が二次創作のイラストを描くことで原作に興味を持つ人が増え、結果的に原作の人気につながることがあります。

著作者側にも利益があるため、二次創作を黙認するケースもあるのです。

訴訟はコストがかかるから

上記は前向きな理由ですが、もちろん後ろ向きな理由も存在します。
こちらは特に民事訴訟をしない理由につながってきます。

民事訴訟をするとなると、差止請求で二次創作の発表をストップさせたり、損害賠償請求ができるというメリットがある一方で、多額の費用と時間が必要になります。
そんなコストをかけるぐらいなら訴訟はしなくていい、という結論になっている著作者がいないとは限りません。

二次創作に関する事件

いくら黙認がされていても全く訴えられることが無いとは言い切れません。
実際に話題となった事件をみてみましょう。

「ときめきメモリアル」無断改変事件

恋愛シュミレーションゲームである「ときめきメモリアル」を題材とした同人アニメが1998年に訴えられた事件です。

この裁判で問題となった同人アニメ「ドキドキイマジネーション」は、ヒロインである藤崎詩織をメインに描いたものです。

このアニメの内容がアダルトチックであり、ヒロインの本来のイメージを台無しにするとして訴えられました。

裁判でも「本件藤崎の図柄を、性行為を行う姿に改変しているというべきであり、原告の有する、本件藤崎の図柄に係る同一性保持権を侵害している。」という判決がなされ、総額227万5000円の損害賠償が命じられました。

ドラえもん最終話同人誌事件

ドラえもんの最終話に関する同人誌が著作権侵害を通告された事件です。

この同人誌はある漫画家がドラえもんの最終話を想像で作ったもので、1万3000部を売り上げる異例のケースとなりました。
また、絵柄が原作と酷似していたためにこれが原作であると勘違いし、小学館に問い合わせる者が出るほどの影響を世間に与えました。

このような事態を受け、「想像していた以上に深刻な事態」と判断した小学館及び藤子プロが著作権侵害を通告、謝罪や在庫の破棄、売上金の一部を支払うことで和解となりました。

ポケモン同人誌事件

1999年にピカチュウなどを題材とした同人誌が訴えられた事件です。

内容が過激な成人向けであったこと、通販主体であり、誰が買ったかわからない(子どもが閲覧することが可能だった)ことなど様々な理由から任天堂が訴訟を起こしました。

これについては警告もなく刑事告訴を行い、警察もいきなり逮捕に踏み切っており、同人誌界に大きな波紋を呼びました。

被告である女性は罰金10万円、そしてその同人誌を印刷した会社も書類送検される結果となりました。

 

以上が二次創作に関する大きな事件です。
このように、過激な内容であったり、あまりにも影響が大きかったりすると訴訟になる可能性が高くなります。

違法ではないものもあるの?

二次創作といえども、そのすべてが違法であるというわけではありません。
違法ではないケースについて説明していきます。

原作とかけ離れている場合

例えば、舞台設定だけ借りて人物等はオリジナルにしてしまうなど、原作と比べてあまりにもかけ離れている場合は別の創作物と判断されます。
よって著作権侵害の対象にはなりません。

小説の二次創作

判例によると、著作権保護が及ぶのは、あくまでも創作された「表現」であって、その作品を生み出したアイデア(作品のコンセプトや設定など)には著作権が及ばないとされています。

それと同時にキャラの名前・タイトルは、それ自体が著作権者に著作権が付与される「著作物」とは言えないことが通常です。
というのも、著作権が付与される「著作物」というためには、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(2条1項1号)でなければいけないからです。

名前やタイトルに著作権を認めることは、ある一人の著作権者にその文言を独占させてしまう(例えば、「藤崎詩織」という名前を他の漫画で使えなくなってしまう)ことになってしまうので、著作権の保護は及ばないと理解されています。

したがって、小説の二次創作については著作権侵害と認められにくくなっているのです。

もちろん原作に似たような挿絵を入れてしまうと二次創作と認識しやすくなり、著作権を侵害したと認められてしまいます。
また、前述したように、勝手に名前やタイトルを変えられたりはしないという同一性保持権は保障されていますので注意しましょう。

私的使用する場合

著作権の一つである複製権は「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用する」(30条1項)ならば侵害とはなりません。

つまり、模写やトレースは仲のいい友人間・家庭内(大体10人以下の人数と考えられています)ならば「私的使用」となり著作権侵害にはあたりません。

二次創作にまつわる様々な問題

二次創作の商用利用

基本的に二次創作については無料・有料問わずに法的にアウトです。

その中でも特に、二次創作によって儲けを出してしまう人がいると黙認している著作者もたまりせん。
訴訟になると、その作品の二次創作が禁止されるなど大きな問題につながりやすくなってしまいます。

また、二次創作のグッズ製作については直に公式(著作者及び出版社)と競合することになります。
よって、公式に似ているグッズをつくってしまうと海賊版として著作権侵害で訴えられる可能性が高くなってしまいます。

そのためコミケなどの同人即売会では、儲けが出ないように最低限原価で、「販売」ではなく「頒布」という言葉を用いて運営されています。
「全員が参加者」という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。

二次創作していい作品・してはいけない作品

すべての二次創作が黙認されているのかというと、そうでもありません。
二次創作の許可や禁止が明記されている作品もあります。

二次創作が許可されているものとして、

  • ボーカロイド
  • 艦隊これくしょん
  • 東方project
  • Fate/Grand Order

などがあげられます。もちろんこれは一部です。
ただし、「商用利用以外で」「フィギュア(立体物)は禁止」といったような条件があるものがほとんどです。

逆に禁止されているものとして、

  • 講談社(例:進撃の巨人、宇宙兄弟など)
  • 小学館(例:モブサイコ100、名探偵コナンなど)
  • Production I.G(例:ハイキュー!!、黒子のバスケなど)

が取り扱う作品などがあげられます。

ですが、これらの会社が取り扱う作品の二次創作はネット上に多く見かけます。
これについては、実際禁止だと言ってはいるけれど黙認してくれているのかもしれません。

もしくは著作者が訴えようとしていないから会社も訴訟に乗り出していない、という可能性が考えられます。

厳しく二次創作を取り締まっている作品

反対に、ガイドラインに定めた二次創作が行われていない場合、厳しく取り締まる会社もあります。

その一例としてあげられるのが任天堂です。

任天堂はガイドラインに指定した範囲内であれば二次創作を許可しています。
しかし、ガイドラインに即していないプレイ動画やファンゲームには公開停止処分を下しており、それは近年でも厳しく行われています。

二次創作が許可されているか否かは公式サイトを確認することでわかります。
二次創作をしたい作品があるときは、一度調べてみるといいかもしれません。

二次創作の著作権

二次創作は違法だからといって、二次創作物そのものに著作権がないわけではありません。
それぞれの二次創作物にもそれを描いた著作者に権利が帰属します。

そしてその著作権は原作を描いている著作者にも帰属します。
もちろん、原作の著作権は二次創作の著作者には保障されません。

まとめ

以上に述べたように、二次創作は著作権侵害にあたることは変わりがありません。
しかし、二次創作を認容するメリットもあり、著作者が黙認・放置しているから二次創作の活動が栄えているのです。

ですが、判断基準が曖昧である故にこのようなケースなら絶対安全というものはありません。
また、いくら黙認が多いといえども、訴えられた事例がないわけではないことは上記に述べた通りです。

商用利用をしない、不適切な内容の二次創作はしないようにするなど、マナーを守って二次創作を楽しむようにしましょう。

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