DMCAの悪用・虚偽申告とは|テイクダウン、攻撃通報されたら
「DMCA」は著作権侵害コンテンツを削除するにあたって、簡単に利用できる便利な制度です。しかし、悪用されることによっ…[続きを読む]
「知らないうちに自分の記事が丸ごとコピペされていた」という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合に利用できるのが、「DMCA」という法制度です。
ただ、逆にDMCAを悪用されてオリジナルのサイトを削除されるという被害を被るケースもあるようです。
そこで今回は、ネットトラブルを回避するためのDMCAの活用法や悪用事例、実際の削除申請についてご紹介していきます。
「DMCA」とは、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)の略称です。
「デジタルミレニアム著作権法」というのは、アメリカで施行されたデジタルコンテンツ上の著作権保護に関する法律のことを言います。
この法律に基づいて、無断転載やコピーサイトといった著作権侵害コンテンツの削除を申請することができます。
アメリカの法律なので日本には適用されません。
しかし、GoogleやX(旧Twitter)などアメリカに本社をもつようなサービスには適用されるため、実質的には日本で閲覧する多くのネットコンテンツが適用を受けています。
DMCAを使うとどのようなことが起きるのでしょうか。
例えばGoogleに申し立てた場合、該当するコンテンツは検索結果に表示されなくなります。
X(旧Twitter)ではツイートが削除されたり、サイトでは掲載している無断転載画像が消去されるといった対応がされます。
従来は管理者に個別に連絡をして対応してもらう必要があったところ、DMCAではGoogleなどが一括対応してくれるため、管理者不明なサイトに対しても有効であるというようなメリットがあります。
先述したように、DMCAでは著作権侵害のコンテンツを削除請求を申し立てることができます。
そのため、コピーサイトが増えて検索結果に表示されなくなってしまった、コピーサイトの方が上位に上がってしまい流出の損失に繋がってしまっている、というような場合にこの制度を利用することでオリジナルサイトの保護をすることができます。
一方、この制度を悪用する例も出ています。
自身が著作権者でないにもかかわらず、著作権者だと偽って虚偽の著作権侵害を申し立てるケースがあります。
X(旧Twitter)ではこの方法でたびたび公式アカウントが凍結される自体に陥っており、大きな問題となっています。
企業への批判的な記事であったり、「警察沙汰になった」というような社会的評価の落ちる内容を記載しているコンテンツが不当に削除されることがあります。
事実を隠蔽するために屁理屈で著作権侵害を訴え、DMCAを悪用しているのです。
競合相手を落とすためだったり、気に入らないサイトに嫌がらせをする目的でDMCAを悪用する場合もあります。
口コミサイトの口コミ欄にわざと会社のロゴを無断転載し、著作権侵害だと通報するような自作自演を行う事例もあるようです。
DMCAを悪用されて自身のオリジナルコンテンツが削除されてしまった場合は、異議申し立てによって復元することができます。
悪用事例と対策、異議申し立てについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ここからは、DMCAによって著作権侵害をしているコンテンツを削除する方法をご紹介していきます。
手順は以下の通りです。
複数の著作物について申請する場合は、1つずつ申請する必要があります。
2つ目以降は、枠の下部にある「新しいグループを追加」をクリックして入力してください。
また、申請結果は「著作権侵害による削除」の削除用ダッシュボードに届きます。
削除が拒否され、理由が「当該コンテンツが見つかりませんでした。」と書かれている場合は、説明が不十分で盗用の判断ができなかった可能性があります。
「著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明」により詳しく説明を書いて、もう一度申請してみましょう。
DMCAは便利な法制度ですが、利用する際に注意が必要な点もあります。
DMCAにより削除が行われた場合、「Lumen」というサイトで削除申請者の情報が公開されます。
そのため、著作権者でもないのに申請するなど、虚偽があった場合はすぐにバレてしまいます。
虚偽の申請により相手に不利益を及ぼした場合、法的処分が科せられる可能性があります。
民事訴訟により損害賠償請求がされるだけではなく、偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪など刑事事件に発展することもありますので、虚偽の申請はしないようにしましょう。
上記で述べたように削除の申請者が公開されるため、自社に批判的なコンテンツを自社名で削除した場合は印象操作(逆SEO)の不当な削除だと炎上する可能性があります。
また、アメリカには「フェアユース」という著作権者の権利を侵害せずに著作権のある作品を利用できる方法があります。
批評や研究などで、特定の方法により利用する場合はフェアユースで違法ではなくなるのです。
違法でないものをDMCAで削除申請してしまうと、不当な削除だと反論される可能性があるため、フェアユースに触れないか確認してから申請を行うようにしましょう。
以上がDMCAについての解説でした。
ネットが普及する現代では、無断転載などの著作権侵害が多く行われています。
もし被害にあっているのであれば、自身のコンテンツを守るためにもDMCAを利用してみてはいかがでしょうか。