侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書の書き方【入門編】
プロバイダ責任制限法では、被害者に「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求権」を認めています。誹謗中傷の該当記事を…[続きを読む]
旅行に行くとき、事前にインターネットで観光地や宿泊施設を調べる人が大半でしょう。
そんなときに便利なのが、「フォートラベル」というサイトです。
口コミや体験記が豊富なこのサイトですが、場合によっては悪影響を及ぼすため、経営者にとって悩みの種になることもあります。
そこでこの記事では、悪質な口コミや投稿がされたときの削除方法についてご紹介します。
「フォートラベル(4travel)」とは、みんなでつくる日本最大級の旅行コミュニティ・ポータルサイトです。
「食べログ」なども営む、カカクコムが運営しています。
このサイトでは、国内外のあらゆる旅行の旅行記・口コミの投稿ができます。
ホテルや飲食店に限らず、「鎌倉」「東京スカイツリー」といった観光地ごとに検索することも可能です。
また、海外200国以上で利用できるWi-Fiルーターを渡航期間中にレンタルするサービス、「フォートラベル GLOBAL WiFi」もあります。
勿論、口コミなどの投稿以外にも、このサイトで飛行機や宿泊施設の予約をすることもできます。
そのため、多くの旅行者・観光客が利用しており、フォートラベルに書かれる口コミの影響は大きいです。
フォートラベルに書き込まれる投稿は、良い評価のものだけではありません。
ときには、嫌がらせのような悪質な口コミが投稿されることもあります。
以上のように、嘘で悪質な口コミや断定的な口コミが書かれることがあります。
このような口コミがあると、客足が遠のく可能性があります。
事実無根な風評被害によって影響が出る前に、投稿を削除したいものです。
後ほど詳しく記述しますが、これはフォートラベルの利用規約「特定の事業者の評判を毀損し、信用不安を引き起こす恐れがある場合」などに該当する可能性があります。
といった、誹謗中傷やプライベートな口コミが書かれることもあります。
特に、店舗・店員の個人情報といったプライバシー情報を勝手に書き込まれると、嘘にしろ本当にしろ拡散や悪用によって重大な被害が及ぶ可能性があります。
こちらは利用規約の「他のユーザーまたは第三者に対する誹謗中傷の場合」「財産、信用、名誉、プライバシーを侵害する場合」などに該当する可能性があります。
上記のように、自身が利用していないにもかかわらず、知り合いやネットから入手した情報を鵜呑みにして悪い書き込みが行われることもあります。
また、宗教や営業の勧誘など、実害はない口コミでも自店の口コミ欄にあると気分が良いものではありません。
上記は利用規約の「内容の確認が困難と思われる場合(根拠のないもの)」などに該当する可能性があります。
それでは、上記のような悪質な口コミが書かれてしまった場合、どうやって削除すればいいのでしょうか。
一番簡単な方法は、サイトからフォートラベルに通報することです。
流れは以下の通りです。
通報するにおいて、「不快だから」といった感情論では削除をしてもらえません。
根拠に基づいた正当な削除だと認めてもらうためにも、まずはガイドラインや利用規約を確認しましょう。
フォートラベルの利用規約・第7条には、不適切な投稿と判断される場合を列挙しています。
具体的な内容は以下の通りです。
ガイドライン・利用規約を確認し、削除したい投稿に該当する項目をチェックしたら問い合わせフォームから通報します。
「お問い合わせの種類」で「利用規約違反(通報)」選択し、必須項目を入力します。
「お問い合わせの内容」には、投稿の「どの部分が」「どの利用規約(ガイドライン)に」「どのように違反」しているかを客観的に記載するようにしましょう。
実際に被害が出ている場合はその証拠を説明したり、削除してもらえない場合は法的な措置を取る旨を記入しておくと、さらに良いかもしれません。
上記は会員登録をしていなくてもできる方法ですが、トラベラー会員である場合にはボタンを押して通報する手段もあります。
なお、どちらの方法でも最終的な判断は運営側が行うため、絶対に削除されるというわけではないことに注意してください。
上記の方法では削除されなかった場合、法的に削除依頼する必要があります。
プロバイダ責任制限法3条1項に基づいて行う請求です。
これにより、口コミや投稿の自主的削除を依頼することができます。
基本的には書面を送付することで申請できます。
ただし、任意で行う措置のため、必ずしも削除されるとは限りません。
詳しくは以下のページで説明しているので、ご参照ください。
裁判所で訴訟を起こして削除を求めることもできますが、通常の訴訟では長い期間とコストを要します。
そこで、より短期間かつ低コストで行えるのが「削除の仮処分」です。
一定の要件が認められれば暫定的な処理として削除命令を出してくれるので、法的拘束力もありつつ迅速な対処をすることができます。
悪質な投稿が繰り返し行われるなど、陰湿な場合は投稿者の特定をするのも1つの手です。
その際に利用できるのが、「発信者情報開示請求」という制度です。
サイトの運営会社に申請し、投稿者のIPアドレスやタイムスタンプを開示してもらうことができます。
近年、この制度で電話番号まで取得できるように改正されたため、従来より格段に簡単な方法で特定できるようになりました。
トラブルが続くのであれば、弁護士に依頼してみてもいいかもしれません。
以上が、フォートラベルで投稿を削除するための方法です。
口コミで悩まされている場合は、まず運営に通報するという簡単な方法を試してみてください。
それでも解決せず、どうしても対処したいと考えるのであれば、弁護士に送信防止措置請求や仮処分の手続きを相談してみてはいかがでしょうか。