侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書の書き方【入門編】
プロバイダ責任制限法では、被害者に「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求権」を認めています。誹謗中傷の該当記事を…[続きを読む]
世界的な旅行サイトである、「Booking.com(ブッキングドットコム)」。
10段階の評価と口コミで宿泊施設の良し悪しがわかるため、参考にしている旅行者も多いでしょう。
しかし、ここででたらめな嘘などの悪質な口コミが書かれると、客足が遠のいてしまいます。
そこで今回は、Booking.comに投稿された悪質な口コミを削除する方法をご紹介していきます!
Booking.com(ブッキングドットコム)は、1996年から続く外国の会社が運営している世界最大規模の旅行ECサイトです。
「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げており、移動手段の確保や多種多様な宿泊施設を予約できるサービスとなっています。
また、有名企業から個人事業主まで2800万件以上の世界各地の宿泊施設を掲載しており、オーナーのビジネスを成長させられる場としての役割も果たしています。
さらに43言語に対応しており、24時間年中無休のカスタマーサービスという安心できるサポートもついています。
冒頭で述べたように、このような大手のサイトで悪質な口コミを書き込まれてしまうと、営業に支障をもたらす可能性があります。
そのため、不当な口コミが投稿された場合は拡散される前に削除することが必要になります。
ただ、どの口コミでも削除できるというわけではありません。
Booking.comの利用規約や法令違反の場合に削除できるのであり、「自社に都合の悪い口コミだから」という理由では削除できません。
ここからは、どのような口コミなら削除できるのかを見てみましょう。
まずは、ノーショー(無断キャンセル)やキャンセル、オーバーブッキング(満室になってしまい、代替施設に宿泊した場合)になった場合です。
これらの場合、そもそも施設を利用していないのでユーザーは口コミを投稿できません。
利用していないにもかかわらず投稿された口コミは、削除の対象となります。
次に、競合施設を攻撃する目的などで口コミが投稿された場合です。
というように、その会社の評価を落とすために嘘の情報を流しているものや、それによって他社が利益を得るように印象操作をしている口コミなどが該当します。
間違えて別の施設のページに口コミを投稿してしまった場合です。
口コミの投稿場所が間違っていると判断されれば、削除が可能になります。
以上のように、脅迫を含む口コミも削除の対象となります。
ただし、書面による正当な証拠の提出が必要とされています。
暴言・差別的表現・政治的/宗教的見解が含まれる場合です。
このように、特定の人物に対する誹謗中傷や卑猥な言葉、ヘイトスピーチなど、偏った意見が含まれる口コミは削除することができます。
違法行為を促すような口コミが投稿された場合です。
このように、麻薬・売春・自殺行為など、違法行為を宣伝するような口コミも削除対象になります。
最後に、個人情報の漏洩や他のサイトに誘導している場合です。
このように、氏名・住所・メールアドレスを晒すなどのプライバシー侵害の口コミは削除することができます。
また、口コミにブログやアフィリエイトサイトなどのURLを貼り、営利目的で誘導する口コミも対象となります。
以上が削除できる口コミの具体例でした。
削除したい口コミがある場合は、一度利用規約やガイドラインを確認するようにしましょう。
それでは、口コミを削除するにはどうすればいいのでしょうか。
Booking.comに直接連絡する方法です。
Booking.comの管理画面、もしくは問い合わせフォームから報告します。
管理画面からは、メールボックスのタブからトピック「口コミ」を選択し、削除依頼文を記入して送信します。
問い合わせフォーム(パートナー施設様向け:紛争解決センター)からは、「予約関連」から「クチコミ」を選んで、メッセージに削除依頼文を記入して送信します。
管理画面でもフォームからでも、削除依頼文を書く際には「どのクチコミの」「どの部分が」「利用規約(もしくはガイドラインや法令)のどの部分に違反しているか」を詳細に書くようにしましょう。
また、依頼書を送付することで投稿の自主的削除を求めることができる「送信防止措置請求」をすることも可能です。
ただし、通報でも送信防止措置でも、口コミを削除するかどうかは最終的に運営側が判断するので、必ずしも削除されるとは限らないことに注意してください。
「削除の仮処分命令」とは、裁判所に提起して投稿を削除するよう仮処分命令を出してもらうことです。
仮処分は普通の訴訟より低コスト・短期間で認められる可能性が高く、比較的短期間で対応することができます。
ただし、Booking.comは外国の会社ですので、次でもご説明するようにオランダ本社への手続きが必要です。
もし、悪質な口コミを投稿した相手を知りたいと考えるのであれば、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき「発信者情報開示請求」を行うことになります。
これにより、相手の個人情報を入手し、匿名相手を特定することが可能になります。
ここで注意しなければならないのは、Booking.comは外国の会社であるということです。
送信防止措置請求・仮処分命令・発信者情報開示請求のどれも行うことは可能ですが、外国(オランダ)にある本社に向けて手続きをする必要があります。
外国法人を相手にすることは一般人にはかなり難しいことですので、もし法的な対応がしたいと考えるのであれば弁護士に相談するようにしましょう。
ここまで、Booking.com(ブッキングドットコム)の口コミ削除についてご紹介してきました。
先述したように、Booking.comは外国法人であるため、法的に対応する場合は複雑な手続きが必要になります。
Booking.comでの悪質な口コミに困っており、どうすればいいか悩んでいるのであれば、無料相談などを活用して弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。