LINEが乗っ取り被害に!対処法は?自分に責任はある?

LINE乗っ取り

1.LINEが乗っ取り被害に遭ってしまった

「LINEを開こうとしたら、なぜかログインできない…」
もしそんなケースに遭遇したら、あなたのLINEは乗っ取られているかもしれません。

LINEの乗っ取り被害は聞いたことはあるものの「自分に関係にない」と思っている方も多いでしょう。しかし、意外と多くの方が被害に遭っているため、日常的にLINEを利用している方は気をつけた方が良いかもしれません。
LINEで自分が被害に遭ってしまった場合、自分だけでなく友人や大切な人も巻き込まれてしまう可能性があります。自分だけのことではないので、乗っ取りに遭ってしまった場合にどうすればよいのかを確認しておきましょう。

今回は、「LINEの乗っ取り被害の対処法と被害者の責任問題」を解説します。

2.LINEの乗っ取りとは?どのような手口で行われる?

まず、LINEの乗っ取りの手口を見ていきましょう。

2-1.乗っ取り手口ケースその1

LINEの乗っ取りの代表的な事例をご説明します。LINEは別の端末からでもログインすることが可能で、これを乗っ取り犯が利用しています。具体的には、他の端末から電話番号とその電話番号宛てにメールで送られる認証コードを入力するという方法になります。
この方法は、電話番号を知らなければ大丈夫なのですが、乗っ取り犯は巧みに電話番号を入手しています。例えば、あなたの友人に本人であると偽って「電話を忘れた(なくした)から、番号とか教えてくれる?」とメッセージを送ってきます。ここで、電話番号と認証コードを入手し、友人のLINEにログインします。「教えることなんてありえない」と思う方が大半だと思いますが、実際に被害事例があるのです。

これ以外にも、流出アカウントに専用ツールを使いパスワードをランダムで入力し、不正ログインをするケースもあります。自分の名前や誕生日など短くて簡単なIDやパスワードの場合、すぐにログインが成功してしまいます。

2-2.LINEの乗っ取り手口その2

これ以外にも、乗っ取りの方法はあります。しかも、LINE経由の乗っ取りではなく、他のSNSを使って電話番号や認証コードを聞き出すという方法です。
具体的には、FacebookなどのSNSで知り合いや友人と偽り「アカウントの凍結解除に友達リストの電話番号認証が必要だから、助けて」などとメッセージを送ってきます。送りつけられた方が、本人だと信用してしまった場合、簡単に情報を引き出すことができてしまいます。
「信用するはずがない」と思うかもしれませんが、実際に「凍結解除というのが最もらしく聞こえた」として信じてしまった方もいらっしゃいます。

このように、「自分は引っかかるはずがない」と思っていても、乗っ取り犯は最もらしい理由をつけては情報を引き出そうとしてきます。電話番号や認証IDは他人に絶対教えないように注意しましょう。

2-3.乗っ取り犯の目的と特徴

乗っ取り犯の目的は単純です。

多くは、お金を騙し取ることを目的としています。iTunesカードなどのプリペイドカードの購入を促し、シリアル番号を送らせようとしてきます。友人と勘違いして番号を送ってしまうと、詐欺だったというケースがあるのです。
日本語が不自然、お金を要求してくる、プレイペイドカードの話をするなどは、乗っ取り犯の特徴です。特殊詐欺グループなどが絡んでいる事例もあるので、注意してください。

これ以外にも、友人や元恋人が嫌がらせで行っているケースもあります。単なるイタズラのケースも想定できますが、乗っ取り後に、あなたの信用を傷つけるような言動を友人に行うこともあります。いじめやストーカー被害に遭うケースもあり、ある意味こちらの方が深刻かもしれません。お金を要求してこない場合は、こちらのケースかもしれません。

このように、多くの目的は「お金」ですが、知り合いが犯人の場合は、「嫌がらせ」が目的の場合もあります。目的によって警察に報告するのか、弁護士に任せるのかなど対処法が異なるので、ここの見極めも大切です。

3.実際の被害には、どんな事例がある?

では、実際の被害事例を詳しくみていきましょう。

3-1.乗っ取られた本人への被害

まず、乗っ取り被害の直接の被害者には、友人に詐欺行為を行うためのメッセージを送りつけられるなどの被害があります。これを片っ端から友人に繰り返した後に、最終的にはアカウントを消去されてしまう事例もあります。
アカウントが消去されると、購入したスタンプが使えなくなる、友達のリストが消える、友人との連絡手段がなくなるなどの被害も同時に発生します

LINEは、他のSNSよりも実生活に密着して使用されているケースが多く、連絡が取れなくなる場合は、交友関係に支障が生じるので、被害が深刻になってしまいます。

3-2.友人への被害

次に、乗っ取られた本人だけではなく、LINEに登録されている友人も被害を受けます。
先にご説明した通り、本人になりすましメッセージを送ります。「iTunesカードを買ってきて欲しい」「裏に書いてある番号を教えて欲しい」などと金銭を要求してくるケースが代表的です。本人だと信じてしまった場合には、金銭的被害がでます。また、これによって乗っ取られた直接の被害者と友人との関係にも支障が生じるケースがあるようです。

このように、被害は自分だけにとどまりません。友人や大切な人にも被害が及ぶ可能性があります。詐欺に遭わなければ問題ないかもしれませんが、仮に友人が被害に遭ってしまった場合は、交友関係に支障を来す可能性も否定できません

4.LINEの乗っ取りは犯罪?乗っ取られた側にも責任がある?

では、LINEの乗っ取りは犯罪になるのでしょうか。法的観点からみていきましょう。

4-1.不正アクセス禁止法違反に

不正アクセス禁止法3条は、「不正アクセス行為をしてはならない」と規定しており、これに反した場合には、「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が課される可能性があります。
また、同法4条は「不正アクセス行為…の用に供する目的で…他人の識別符号を取得してはならない」と規定し、これに反した場合には「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が課される可能性があります。
LINEの乗っ取り行為は、他人のIDを使って、不正アクセスする行為に該当しますので、これらの規定に反することになります。

親告罪ですので、自分から警察に告訴しなければ警察は動きません。犯人を探したい場合は、まず警察に被害を報告することが大切です。また、不正アクセスされたことに対し、民事で不法行為に基づく損害賠償請求をすることも可能です。
もっとも、犯人を探し出すこと自体が困難なケースも多く、金銭による被害回復は難しいかもしれません。

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4-2.詐欺罪にあたり、懲役の可能性も。

刑法246条1項は、詐欺罪を定めています。
詐欺罪の成立には、「欺もう行為、錯誤、処分行為、損害」とすべての要件に「因果関係」が必要となります。仮に詐欺行為と認定されれば、「10年以下の懲役」が課される可能性があります。LINEの乗っ取り被害に関してあてはめると、プリペイドカードなどを購入させられお金を騙し取られた事例などは詐欺罪にあたる可能性があります。
実は、詐欺罪にあたると知らず、バイト感覚で「受け子」になってしまう人もいます。他人や友人のLINEを乗っ取り、お金を騙し取ると重い罪になってしまいますので、怪しいバイトは絶対受けないようにしてください。

LINE経由でお金を騙し取られた場合は、警察に被害届を出してください。警察に情報提供をすることが犯人の特定につながります。特殊詐欺グループなどが絡んでいる場合は、他にも被害者が大勢いる可能性がありますので、少額であったとしても被害を申告するようにしましょう。

4-3.乗っ取られた側に損害賠償!?責任があるの?

自分が乗っ取り被害に遭い、友人がその派生的被害に遭ってしまった。そんな時、「お前のせいでお金を騙し取られた。乗っ取られた本人にも責任がある。弁償して!」と言われてしまうケースがあります。このような場合、乗っ取られた人に責任は発生するのでしょうか。

結論からいって、こういったケースに関しては、損害賠償を請求するのは難しいと思われます。この主張は、「パスワードの管理などが甘かったため、乗っ取られた本人にも責任がある」という内容で、法的には不法行為に基づく損害賠償を請求することになると思います。過失に基づいて損害が発生したということを立証する必要がありますが、乗っ取り犯は詐欺グループなどのプロです。パスワードを使い回していたなどの事情があっても、これだけで過失があったと認定するのはかなり厳しいと思います。
乗っ取られているのをわかっていながら、長らく放置し詐欺を助長したというような稀なケースであれば民事責任が発生する可能性もあります。もっとも、このようなケースはレアだと思いますので、乗っ取られた本人に民事上・刑事上の責任が発生すると考えることは事実上困難です。

このように、乗っ取られた本人が責任を負うことは、ほとんどありません。もっとも、友人関係が悪化することは容易に考えることができます。ですので、できる限り乗っ取られないように予防策をとっておくことが大切です。

4-4.乗っ取り犯が知り合いの場合は、損害賠償を請求できる?

では、嫌がらせ目的の場合は、損害賠償を請求することができるのでしょうか。

友人や知り合い、元恋人からの嫌がらせでLINEの乗っ取りが行われた場合、警察に申告すれば不正アクセス禁止法違反で捜査してもらえます。また、LINEの乗っ取りにより、精神的にも不安定になり傷ついたという場合は、慰謝料請求をすることが可能です。嫌がらせなどの場合は、比較的犯人が発見しやすく損害賠償請求もスムーズに行えるはずです。警察などで、犯人を特定してもらったあとは、民事責任を追求し被害回復を図っていきましょう。

このように、乗っ取り犯が知り合いの場合は損害賠償請求をすることが可能です。弁護士に相談し具体的に被害回復方法を検討していきましょう。

5.被害後の対応は?友人関係どう修復する?

では、被害後の対応はどのようにするのがベストなのでしょうか。

5-1.友人に連絡する

まず、友人には他のSNS(Twitter、Facebook等)や電話などでLINEが乗っ取られたことを報告しましょう。
友人達が被害に遭わないようにするため、早めの対応が肝心です。また、すでに被害が出ている可能性もあるので、報告の際には謝罪も一緒にしておいたほうがベターです。報告は、「LINEアカウントが乗っ取られてしまったので、自分からの連絡は無視してください。迷惑をかけてすみません。」という内容で大丈夫です。誠意をもって対応することが肝心です。乗っ取られ後、数時間は謝罪などの対応に追われるかもしれませんが、やむを得ません。

5-2.パスワード変更・運営元に報告

次にすべきことは、パスワードの変更です。
自分のLINEアカウントにログインできる場合は、すぐにパスワードを変更してください。これで乗っ取り被害を最小限に抑えることができます。
すでに他の端末からログインされ、パスワードも変更され完全に乗っ取られてしまった場合はどうしようもありません。この場合は、LINEの運営元に報告しアカウントを削除するように依頼してみましょう。運営元に報告することで、削除が実行されるはずです。

5-3.他のSNSのパスワードも変更

最後に、他のSNSのパスワードも変更しましょう。
パスワードを使い回している人は意外に多いと思います。パスワードを使い回している場合は、他のSNSも乗っ取られてしまう可能性がありますので、すぐに全てのパスワードを変更し、さらなる乗っ取り被害を防具必要があります
「そこまでやるべき?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、相手はプロの可能性もあります。できるだけ万全の対策をとりましょう。

このように、被害後の対応はスピードが大事です。被害はすぐに深刻化しますので、気づいたらできるだけ早い段階で対処していきましょう。友人関係への影響も最小限に抑えることができるはずです。

6.安全なパスワードとは?

ここで、予防策や事後対策で必要になる「安全なパスワード」についてご説明したいと思います。以下のことに注意してパスワードを設定し、乗っ取り被害を防止しましょう。

・SNSなどでパスワードの使い回しをしない
・電話番号、生年月日、名前などは避ける
・英字・数字・記号を混在させる(8文字以上推奨)
・メールアドレスやアカウント名と同じものにしない
・意味の不明な文字列にする(PCが自動で推奨するものを使用しても良い)
・定期的にパスワードを変更する

これ以外にも、LINEアプリにロックをかけることや、2段階認証(パソコン版のLINEから設定可能)を使うことで自己防衛をすることができます。特に乗っ取り被害に遭ったあとは、万全の対策をとるようにしましょう。

7.誰もが乗っ取られる可能性がある。万全の対策を!

LINEが乗っ取られてしまうのは他人事ではありません。日頃からパスワードの管理を徹底するなどして対策を万全にし、被害を予め防ぐよう意識しましょう。

LINEは実生活において連絡ツールとしても重宝されている方も多いと思います。自分だけでなく、友人にも被害が及ぶ可能性もあるので、そのことを理解しておくべきです。LINEの乗っ取りが原因で友人関係が壊れてしまうのは絶対に避けたいことでしょう。便利なツールだからこそ、リテラシーをもって利用することが大切です。仮に被害に遭ってしまった場合は、早めに警察に連絡してください。

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