食べログの裁判事例はおかしい?勝手に掲載、口コミ削除請求を解説

裁判

グルメサイト「食べログ」への風当たりが強くなってきています。昨今は「食べログへの掲載お断り」のお店も増えたり「点数がおかしい、操作している」とSNSで言われることも多くなっています。

食べログの口コミ投稿について、掲載拒否しているのに勝手に掲載されたりしておかしい、変だ、店舗情報を削除したいという方もいるでしょうし、口コミや点数についてお悩みの方もいるでしょう。

削除請求をした裁判例としてどのようなものがあるのか、今回は解説します。

特に飲食店を経営されている方は、本記事に記載の請求例を念頭に置きつつ、食べログをはじめグルメサイトでの集客施策を進めていくことをおすすめします。

なお、削除請求以外の件について、食べログの「アルゴリズム」を不当に変更され店舗の評価点を下げられた件について、損害賠償金を求めた訴訟結果、裁判判決(地裁、韓流村KollaBoの事例)も2022年6月に出ました(カカクコム側、韓流村双方が即日控訴)。今後食べログ加盟店からの訴訟ラッシュも考えられますので、こちらも併せて解説致します。

  • 追記:2024年1月に2審の東京高等裁判所は、1審とは逆に、店側の訴えを退ける判決を言い渡しました。その後、韓流村KollaBo側は、最高裁判所に上告する意向を示しました。以下コラムは、2022年6月時点での内容になるのでご注意下さい。

①「食べログ」アルゴリズム変更は独禁法違反か|韓流村・KollaBo訴訟

焼き肉チェーン店運営会社「韓流村」が、食べログ運営会社「カカクコム」に約6億3900万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2022年6月16日、3840万円の賠償を命じました。

ここまでの流れと判決理由を簡単に記載すると以下のとおりです。

  • 食べログのサイト内のアルゴリズムを一方的に変更
  • そのことにより、運営する焼き肉店「KollaBo(コラボ)」の評価点が下落
  • 食べログ経由での来客数が月5000人以上落ち込み、売上2200万円下がり、ブランド価値も損傷
  • 食べログ側に訴訟を提訴
  • 食べログ側が、損害賠償訴訟で「アルゴリズム」の概要をチェーン店側に開示
  • 2022年6月16日、地裁が食べログ側に3840万円の賠償を命じる
  • 双方、即日控訴

訴えは一部認められ、このことについて「優越的地位の乱用」を禁じた独占禁止法に違反すると地裁が指摘しております。

一方で、原告が求めた変更後の「アルゴリズムの使用差し止め」については認めませんでした。

グルメサイトや口コミサイトの点数の基準が、判決によって大きく変わる可能性があると言えるでしょう。

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②食べログでの風評被害書き込みに削除請求で裁判所が棄却した事例

食べログ上に「料理が出てくるまで40分も待たされた」と書き込まれた店舗が、食べログに対して削除請求を求めた事例があります。

  • 店舗経営者は「40分待たされた」という口コミは事実と異なるとして削除を求める
  • その理由としては、人格権や不正競争防止法などを主張。
  • 2014年9月4日、札幌地方裁判所は店側の請求を棄却
  • 札幌高等裁判所に控訴。その後2015年6月23日、同裁判所も店側の控訴を棄却

上記の通り、店側の控訴は棄却されてしまいました。

また、その際には、下記のような指摘がなされています。

  • 一般公衆を対象として飲食店を経営しているのであるから、顧客の評判によって利益を得たり、損失を受けたりすることを甘受すべき立場にある
  • 社会的に相当性を有する口コミ投稿であるなら、これによって営業上の損失が生じたとしても、甘受すべきものである

この点では店舗側にとっては厳しい内容となっています。

③掲載拒否してるのに勝手に掲載!削除請求が認められなかった事例

掲載を拒否しているのに勝手に掲載されて、食べログ側に削除請求をした事例があります。

  • 該当店舗は、広く宣伝することない隠れ家的なお店であった
  • 来客は、常連や常連が紹介する客がメイン
  • しかし、突然一元の客が多く訪れるようになった。
  • 食べログに情報掲載されていることが判明
  • 店の営業方針が乱されるとして、削除請求を求める
  • 裁判所は削除請求を認めず

削除理由としては、自己情報コントロール侵害と営業権侵害を主張しました。

裁判所は、「情報コントロール権は人格権にもとづくものであるが、この権利は、不法行為や差し止め請求を認めるためのものではない」と判断して、これは削除請求の根拠にならないと判断しました。

また、店舗が自らのホームページをもっていて店舗情報を公開していることなどから勝手に掲載していても店側の請求を認めませんでした。

④写真が違う!食べログに削除請求をした事例の結果

食べログに掲載されていた店舗の画像などの情報が、事実と異なるとして削除請求が行われた事例があります。

佐賀県佐賀市内の飲食店が2010年7月に食べログを提訴しました。流れは下記のとおりです。

  • 飲食店は店舗をリニューアル
  • 食べログには改装前の写真や情報が掲載されていた
  • 店舗側が「実際の店の状況とは異なり、客の誤解を招く」と主張
  • 食べログを運営しているカカクコムに対して、店舗に関する情報の削除を求める
  • カカクコム側は最新の情報ではないことを記載しており問題ないと反論

結果的にはカカクコム側が店舗の情報や写真を削除しました。訴えは取り下られ解決しました。

外観などの写真については、削除請求が認められやすいと言えます。

その他食べログ問題について

食べログの嫌な口コミなどの対処・削除請求については、下記記事も併せてご参照下さい。

今後も食べログに関する裁判は起こされる可能性が高いでしょう。

もしも上記と同じような問題があった場合は、ネット誹謗中傷・風評被害に強い弁護士に一度相談することをおすすめします。

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