名誉毀損で訴えるには|民事裁判の流れ・方法・難しさを徹底解説

東京地方裁判所

インターネット上で名誉を毀損された場合、書き込みをした相手方に対して法的措置・損害賠償請求をすることができます。

具体的にどのような方法によって相手に損害賠償請求をすることができるのでしょう。

この記事では、ネットで名誉を毀損されてた場合訴えるにはどうすればいいか、裁判の流れ、訴えるのは難しいのか、費用、損害賠償請求の方法について解説します。

*なお、逆にネットで名誉毀損にあたる行為をしてしまった人、つまり「訴えられそうな人」、訴訟が気になる人は下記記事を併せてご参考ください。

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また、そもそも名誉毀損で訴える条件について疑問がある方は、下記記事をご参照ください。

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誹謗中傷の訴訟によって請求できる3つのこと

①損害賠償請求

名誉毀損にあたる行為が行われた場合、書き込みをした相手に「損害賠償」請求することが可能です。

たとえ、犯人が逮捕され刑事裁判が行われて相手が有罪になっても、損害賠償のお金は払われるわけではありません。

別途、民事裁判を起こして損害賠償を求めるか、相手を特定し示談を行う必要があります。

なお、この場合、財産上の損害ではなく、精神的苦痛に対する損害(つまり慰謝料)を請求することできます。

名誉毀損の慰謝料相場を知りたい方は、下記の記事も併せてご参考ください。

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②差し止め又は削除請求

次に、差し止め請求や名誉回復措置を求めることが可能です。

名誉毀損行為が行われていて、それを辞めさせないといけない場合には差し止め請求ができます。

③名誉回復措置

また、名誉を回復させるために犯人に何らかの行動をさせる必要がある場合には、名誉回復措置として、たとえば謝罪広告を出す、相手のホームページに謝罪文を出させるケースもあります。

以上より、名誉毀損によって請求できるのは

  • 差し止め請求
  • 慰謝料請求
  • 名誉回復措置

の3種類であることを、まずは覚えておきましょう。

名誉毀損で訴える前にすべきこと

ネット誹謗中傷を受けて損害賠償請求などをしたい場合や、名誉毀損で訴えるにはどうすればいいかを考える前にすることがあります。

それはまず相手に対して「直接請求すること」です。

Step1:犯人特定

まず、直接請求するには、書き込み犯人を特定している必要があります。

そのため出来ていない場合は、犯人の特定作業が必要となります。詳しくは下記記事を併せてご参考ください。

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Step2:内容証明郵便を送る

すでに犯人が特定できている場合、まずは「内容証明郵便」を利用して請求書を送ることから始めます。

内容証明郵便とは、郵便局と差出人の手元に、相手に送ったものとまったく同じ内容の控えが残るタイプの郵便です。これを利用する事によって、相手に対し確実に請求を行うことが可能になります。

相手に対してこちらが本気であることを示し、プレッシャーをかける効果もありますし、謝罪を求めたり、名誉を回復させるための何らかの行動を求めたりすることも可能です。

内容証明郵便で請求書を送る場合、通常は、「〇〇日以内に支払をしてください。支払がない場合には裁判をする用意があります。また、本書の内容について意見がある場合には、〇〇日以内に連絡をしてください。」などと記載します。

Step3:示談交渉をする

内容証明郵便によって請求書を送ったら、通常は相手から返事があります。

示談交渉では、具体的にいくら賠償金を支払うのか、謝罪を行うのか、またその場合の方法、訂正記事や謝罪記事を求めた場合の対応について話し合います。

これらについて、双方が納得して条件が折り合えば示談が成立するので、その内容をまとめた示談書を作成します。

もし条件がととのわず、示談が成立しない場合には、民事裁判をしてでも争うかどうかを検討することになります。

Step4:賠償金を受け取る

示談が成立したら、その内容に従って相手から賠償金を受け取ることができます。

多いのは銀行振込にするケースですが、手渡しがよければその方法でもかまいません。

示談書を作成しても、約束通り支払わない人もいるので、支払が行われるまでは、最後まで安心せずにきちんと入金を確認しましょう。

名誉毀損で訴えるには|民事訴訟の流れ・方法・ポイント

相手と示談交渉をしても、そもそも示談に応じなかったり連絡をとるのが難しいとかで、示談ができないことがあります。

その場合には、こちらから積極的に民事裁判・訴訟を起こして法的措置・損害賠償請求する必要があるので、以下ではその方法について解説します。

①管轄の確認|簡易裁判所か地方裁判所か

利用する裁判所は、自分の居住する地域の管轄の裁判所でもかまいませんし、相手の居住する地域の管轄の裁判所でもかまいません。

通常は、自分が居住している地域の裁判所で提訴する方が難しくないので、おすすめです。

また、裁判所には種類があります。慰謝料のみの請求で、請求額が140万円以下の場合には簡易裁判所で提訴しますが、140万円を超える請求を行う場合や謝罪広告などを求める場合には地方裁判所で提訴する必要があります。

②訴状の書き方を確認

裁判を起こすためには「訴状」という裁判を起こすための申立書を作成して裁判所に提出する必要があります。

訴状には、原告と被告の表示、請求の趣旨と請求の原因を記載します。

  • 原告:裁判で訴えた人
  • 被告:裁判で訴えられた人
  • 請求の趣旨:相手に対して求める内容の結論部分。たとえば「金〇〇円を支払え」など
  • 請求の原因:相手に対して請求権があるという根拠の説明

そして、日付と署名押印をして提出します。

訴状は同じものを2通提出する必要があります。

③証拠の提出も必要

裁判では、こちらの主張が正しいことを証明する必要があります。いくらもっともらしいことを訴状に書いても、証拠がないことは認められません。

そこで、名誉毀損にもとづく損害賠償請求をする場合には、名誉毀損が成立することやそれによってこちらが精神的苦痛を被ったことを「証明する証拠」を添付して提出することが必要です。

誹謗中傷が行われたときのインターネット記事をプリントアウトしたものなどを証拠として提出しましょう。自分がそれによってどれだけいやな思いをしたかなどを陳述書にまとめても良いでしょう。

なお、証拠は、2部提出する必要があります。また、裁判所に提出した訴状や証拠については、自分の控えもコピーをとっておきましょう。

④第一回口頭弁論期日まで

提訴後、裁判所から第一回口頭弁論期日の「呼出状」が届きます。

ここには、裁判所の法定番号と裁判の時間が書いてあるので、遅れずに確実に出席しましょう。

また、同じ頃、相手方である被告にも訴状と証拠書類と口頭弁論期日呼出状が送られています。

これに対し、相手方は「答弁書」という書類を提出することが多いです。

答弁書を提出しないと、原告の主張をすべて認めた扱いになって負けてしまうので、争う気がある場合には、必ず答弁書を提出しないといけないからです。

答弁書が提出された場合には、第一回期日前にこちらに郵送されてくるので、その内容をしっかり読んでおくと良いでしょう。そこには、相手方のいい分が書いてあるはずです。

第一回口頭弁論期日までに答弁書が提出されず、期日に相手が出席もしない場合には、自動的にこちらの言い分が全部認められることになって判決が出ます。

相手から答弁書が提出されたり、期日に相手が出席して争ってきたりした場合には、期日を続行してさらにお互いの主張と立証を続けることになります。

⑤2回目以降の手続き

第一回口頭弁論期日において相手が争う姿勢を見せた場合、第2回以降にさらにお互いの主張立証が続きます。

答弁書に具体的な反論が記載されていた場合、2回目の期日までに、こちらが再反論をしなければなりません。これらの民事裁判の主張や立証は基本的に書面でのやり取りになります。

テレビドラマなどのように、裁判所の法廷内で弁論を展開するという様なことは、普通はありません。

いかに説得的で理論的に整った書面を作成・提出できるかと、有利な証拠を揃えられるかによって裁判の帰趨が変わってきます。

⑥人証調べ

何度か期日を重ねて原告と被告の双方が主張と立証を終えたら、原告被告本人の人証調べ(尋問)が行われることが多いです。

この日は、書面でのやり取りではなく実際に原告と被告が裁判所で尋問を受けて話をします。

ただし、この場合、事実を確認する手続きになるので、自分の言いたいことを話し続けるのではなく、弁護士や裁判官が聞いてくる質問に対して一問一答式で答えていくことになります。

この人証調べの手続きが終わったら、判決に必要な資料がすべてそろったことになるので、いよいよ判決が言い渡されます。

ただし、判決は人証調べのその日に行われるのではなく、通常その「1ヶ月~2ヶ月後」に判決言い渡し期日が指定されます。

⑦和解で終結する場合あり

裁判は、判決が言い渡されるより前に「和解」で解決することが多いことも覚えておきましょう。

特に、日本では和解の割合が高く、裁判事件の50%は和解で終結しているとも言われています。

和解のタイミングは、いつとは決まっていないので、たとえば第一回口頭弁論期日に裁判官の勧告によって和解の話し合いがすすめられることもありますし、人証調べ前に和解の話し合いが持たれることもあります。

人証調べが終わった後、最後の話し合いのチャンスとして和解の話し合いの機会が持たれることも多いです。

判決になると、必ずしも自分が勝訴するとは限りませんし、賠償金の金額も思い通りになるとは限りません。

柔軟な解決をするためには、和解による話し合いで解決した方が良いのです。

また、判決が出ても、それを無視して支払わない人は結構います。その場合、こちらが相手の財産を探して強制執行(差し押さえ)をしないといけないので、かなり大変な作業になりますし、費用も労力もかかります。

和解をすると、通常は相手が自分から約束通り支払をしてくれるので、こちらが強制執行をしたりする手間をかける必要がありません。

このように、和解には判決にないいろいろなメリットがあるので、裁判官が和解を勧告してきた場合、一度は和解の席についてみると良いでしょう。

なお、和解は裁判手続き中に何回でも行うことができます。たとえば、第一回口頭弁論期日において和解の話し合いをしてみたけれども成功しなかった場合、後に人証調べ前に再度話し合いをすることもできますし、それでも話しができなかった場合、最後のチャンスとして再々度人証調べ後に話し合いをすることも可能です。

和解に積極的に臨んだことによって判決で不利益に評価されることもないので、そのようなことをおそれることなく、自分に有利な内容で話し合いができる可能性があるなら、まずは話し合いのテーブルについて話しを聞いてみましょう。

裁判官が間に入って相手との話し合いを仲介してくれるので、大変貴重な機会になります。

⑧判決言い渡し

人証調べが終了し、最後まで和解の話し合いもできなかったケースでは、その事件については裁判官が判決を言い渡すことになります。

判決言い渡し日は、口頭弁論の終結時に指定されます。人証調べが最終の手続きであるケースでは、その日に判決言い渡し期日が裁判官から告げられます。

判決は、裁判所に聞きに行っても良いですし、裁判所から自宅に郵便物が届くのを待つのも良いでしょう。

判決に対して不服があれば、判決書を受け取ってから2週間以内に「控訴状」を提出することによって高等裁判所に控訴できます。

⑨入金

裁判手続きが終了後、相手から損害賠償金の支払いを受けることになります。

和解の場合には、通常は支払期限を定めて銀行振込先なども相手に告げるので、通常は期日までに相手から入金があります。

ただ、判決の場合にはそうはいきません。判決書には、単に「被告は原告に対し〇〇円支払え」と記載されているだけで、具体的に銀行振込などの支払方法が記載されているわけではないからです。

判決で支払い命令が出た場合、相手に連絡をとって、具体的な入金方法を話し合う必要があります。

銀行振込先などを通知して相手がそこに入金してくれたら、その時点で慰謝料支払いを受けることができますが、相手が支払をしなかったり、判決後相手と連絡が取れなかったりする場合には、相手の財産を探して強制執行(差し押さえ)をしなければならないので、大変です。

相手の財産としては、預貯金や生命保険、株券や不動産、給料など何でも差し押さえの対象になりますが、これらの財産がない場合や、どこにあるかわからない場合には、判決で支払い命令が出ても、実際には賠償金を回収できないおそれがあるので注意が必要です。

名誉毀損による賠償金請求!弁護士に相談・依頼するメリット

訴えることを弁護士に依頼すると、当然「弁護士費用」がかかります。

金額については、相手に請求する金額によっても変わってきますが、数十万円かかることが普通です。

相手からさほどお金がとれないのに、高額な弁護士費用を支払ったら、結局は損になってしまいますし、損にはならなくてもほとんど利益にならず、労力と時間をかけただけで終わってしまうことになってしまうからです。

たとえば、請求金額や回収出来そうな金額が50万円以下の場合には、基本的には弁護士に依頼しない方が良いでしょう。

高額な損害賠償金の支払が見込めるケースや謝罪広告を求めたいケースなど、複雑な対処が必要な場合、またお金の損得ではなくとにかく相手にきっちりペナルティを与えたいなどの目的がある場合などには、弁護士に手続きを依頼して確実に裁判で勝てるようにした方が良いでしょう。

損得勘定をした場合に足が出そうなら、わざわざ弁護士を立てずに、「本人訴訟」で最後まで自分で争うのも1つの方法です。

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まとめ

今回は、ネット誹謗中傷被害を受けた場合に相手に対して訴えるにはどうすればいいのか、法的措置、慰謝料請求、民事訴訟をする方法を解説しました。

相手に対して名誉毀損にもとづく請求をする場合、まずは内容証明郵便で請求書を送って示談交渉をします。

また、民事裁判では、書面によって主張や証拠を提出して手続きをすすめますが、和解によって解決すると、柔軟な解決ができたり支払いを受けやすかったりしますので、一度は和解の席についてみると良いでしょう。

裁判は、弁護士に依頼した方が有利になりますが、回収できる金額の見込額が少ない場合、弁護士費用がかかって足が出てしまうおそれがあるので注意が必要です。

まずは、弁護士の初回無料相談を利用するとよいでしょう。

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