プライバシーの侵害と肖像権!他人にSNSで勝手に個人画像を載せられた
SNSに写真を無断で公開され、写っている人たちに迷惑を与える行為は「フォトハラ」とも呼ばれ、社会問題にもなっています…[続きを読む]
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いまやSNSによる写真や画像のアップロードは何気なく行われている行為です。
様々なシーンで、SNS(Twitter、Facebook、Instagram、LINE)を使って画像を公開し、生活に欠かせないものとなっています。
そのおかげで、FBやTwitterで、友人間、一般公開など指定したコミュニティーに向けて、情報共有が出来、気軽にコミュニケーションをとれるツールともなっています。特に文章よりも、画像は手っ取り早く情報を共有できるため、SNSと画像との相性は非常によいと考えられています。
その一方で、懸念されているのが個人情報や機密事項の漏洩です。
現在SNSの利用者は年々増え続けています。
TwitterやLINE、Instagramの普及により、より簡単、かつ多くの人に情報を開示出来、見る事が出来るようにもなりました。しかし何気なくアップロードした写真から機密事項が漏洩したり、あなたの住所や居場所をを特定されるような危険性があるとしたらどうですか?
そう思っていませんか?しかし写真だけでは何も分かるはずがない、と思い気軽に利用した結果、職場の機密事項や、個人情報を特定されてしまうような材料を無意識に提供してしまっているかもしれないのです。
スマホやデジカメで撮った写真に撮影時の情報を埋め込むシステムにEXIF(イグジフ)というものがあります。
EXIFとは、デジタルカメラで撮影した画像データに、撮影条件に関する情報(メタデータ)を追加して保存できる、画像ファイル形式の規格のことです。 EXIFでは、撮影した画像データと併せて、撮影した日時やデジタルカメラの機種、絞り値、画素数、ISO感度、色空間、GPS(緯度と経度)といった情報をまとめて記録することができる。
埋め込まれている情報には、撮影日時や撮影機器のメーカー、撮影方法など様々なものがありますが、ここで問題視しなくてはいけないのがGPS情報です。基本的にスマホのカメラにはGPS機能がついています。そのスマホで撮影した画像を投稿することで、あなたの位置情報を無意識に公開してしまっているということがあります。
お店や旅先で、位置情報を知らせたい場合は問題ないかもしれませんが、もしも自宅で撮影した画像には、EXIF情報付(自宅の住所付)の画像を公開してしまっていると考えましょう。それは、世界中の人に、自分の住所を公開して、不特定多数の人にあなたの位置情報を知らせてしまうことにもなりかねないのです。現在は、住所から氏名を調べることは簡単にできてしまいます。
便利なはずの機能が実は落とし穴になりかねないのです・・と、ここまで散々怖い話をしてきましたが、そうなるとだったらSNSで気軽に投稿出来ないの?、GPS機能をオフにしなきゃいけないのでは、と思ってしまいます。
最近ではSNSにアップされた画像については自動的にEXIF情報が削除されるようになってきています。
自分で情報の削除、編集が出来るアプリケーションもあります。実はこのGPS機能にはうまく使うことで大量の画像データを管理するのに非常に役に立つということ、有用な情報を第三者へ簡単に提供できるというメリットがあります。もちろん何か事件に巻き込まれた、子供が迷子になった、というような時も絶対に必要になってきます。
せっかく便利な機能をわざわざオフにするようなことをしなくても、どのようなものかを理解した上でうまく活用することが重要です。私たちが普段何気なく使っているSNSですが、一番怖いのは情報が漏洩した後で「どうしてわかったの?」「どこから漏れたの?」ということです。何もわからずに使用するということにどれだけリスクがあるかを理解して使用したいものです。
何も知らずに写真を公開するのではなく、ここまでは写真として公開できる、このEXIF情報は公開できないなど、よく見極めたうえで、個人情報漏えいの危険から身を守ることが重要でしょう。
など、被害は後を絶ちません。
そのほかにも、景色や天候、撮影日などから何県の何市くらいまでなら特定できる場合もあります。
また、投稿時の状況からもいろいろなことを推測することが出来ます。
例えば一日に何度もSNSを画像付で公開することによりその人の行動や位置情報が分かります。朝から就寝までを投稿していたとしたらその人が今どこにいて、何をしているかがわかり、家にいるのかいないのか、どのくらい家を空けている、空けるよう予定があるかどうかなどがわかってしまい、空き巣や犯罪者に情報を流し、狙われる危険性もあります。
ストーカーに対して不必要な情報を公開していることにもなりますので、注意が必要です。
自分の子供の運動会の様子を載せているものに学校の情報が写りこんでしまっているということもあります。
もしも、たまたま写りこんだものが会社の重要な情報だったり友人の個人情報だったりしたら「知らなかった」ではすまされません。
インターネット上に情報を公開する重さをもう一度考え、世界中に発信しているという理解しなくてはいけません。友人や他人の子供をアップするときは相手に許可を取ることも大切です。一旦拡散された情報を消すのはかなり困難です。その情報大丈夫?投稿する前にもう一度自分に問いかけてみましょう。
現に本人は机の上の飲食物などをスマートフォンで撮ろうと思って撮ったにもかかわらず、背景に予期せぬ機密情報書類が映り込んでしまい、情報の漏洩につながったケースも実際に少なくありません。
実際に、2015年に税務情報漏洩事件というものがありました。それは19歳の女性職員が職場での休憩中の様子をSNSで、机上の飲食物などをスマートフォンで撮影。ツィッターにアップロードした際に、税務関連書類(市内の企業から提出された固定資産税の申告書)が写りこんでしまったというものでした。
この画像掲載により、社名や資産取得価格などの一部が判別できる形で撮影されていました。
もちろん本人に悪意があったわけではありません。ただ、情報が漏洩するかもしれない可能性に対する認識の甘さがこのようなことを引き起こしたと言えます。まるで手紙やメールと同じような感覚で簡単に情報を提供できることから、様々なリスクがあるということを考えておいたほうがよいでしょう。
特に職場内、会社内での写真撮影は禁止としている企業も少なくありません。
上記は、新人職員が起こした事件でしたが、機密保持には、公私の切り分けが苦手な新人の社員教育が欠かせないのです。