2ちゃんねるが5ちゃんねる(5ch.net)へ名称変更した理由
2017/10/1から、2ch.netにアクセスすると、ロゴマークが「2ちゃんねる」から「5ちゃんねる」に変更されま…[続きを読む]
誹謗中傷、名誉毀損と様々な問題を抱える2ちゃんねるですが、社会的に存在が広く認知されるようになってから、問題や分裂の歴史を繰り返してきました。
個人情報流出騒動が過去に起きて、政治家、小説家など思いもよらない有名人の2ちゃんねる利用も発覚し、ネット問題の根深さを世間に印象付ける結果となりました。
このような我々のすぐ傍にあり、様々な問題を抱える巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」ですが、今回は2chの歴史について説明します。
まず、2ちゃんねるの設立は、20世紀の終わり、1999年のネットバブル全盛の時代に西村博之氏によって開設されました。
近年になり問題が大きく報道されるようになったので、設立は最近のイメージがあったかもしれませんが、意外と歴史のある掲示板です。
また、設立当初は匿名掲示板のメリットが最大限に生かされ、業界のコアなテーマや専門家による深い議論も多くなされるなど、現在のイメージとは少し趣の異なる雰囲気の掲示板でした。
本名ではなかなか語れない業界の裏話、自分が勤めている会社の裏事情、愚痴なども聞けて、有用な面も多分に含む掲示板でした。
開設初期は、現在のイメージとは異なる雰囲気を持っていた2ちゃんねるですが、次第に雰囲気を変えていきます。ターニングポイントは「メディアへの露出」でした。
2000年代初頭に、大きな事件を起こした犯人が2ちゃんねるに書き込んでいたことが発覚し、それが多くのメディアで報道されることになりました。
テレビ、新聞などのメディアで取り上げられると爆発的に知名度を上げ、結果的に、ユーザー数を爆発的に押し上げることになり、今まで隠されて来ていた問題が一気に顕在化することになります。
前述したように、問題の顕在化は、ユーザー数の増加と共に起こってきます。
今までは、悪質なデマの流布や特定の人物に関する中傷が行われていても看過されていたものが、衆目を集めることで次第に無視できなくなってきます。
要は見過ごせていたレベルのものが、見過ごせないレベルにまで大きくなってきました。このあたりから、匿名のメリットよりデメリットの方が目立つようになります。
2ちゃんねるの歴史を語るにおいて「まとめサイトの誕生」は外せません。2ちゃんねるまとめサイトとは、文字通り、2ちゃねるの掲示板のスレッドをまとめたサイトのことです。
特定のテーマに沿ってスレッドをまとめ、ユーザーが見易いように、利用し易いようにまとめたものが2ちゃんねるまとめサイトと呼ばれるものです。
これだけを聞くと、悪く聞こえないでしょうが、時がたつにつれて、まとめサイトの管理人が「恣意的に情報をまとめはじめた」ことで問題が生じました。
具体的に言えば、時にはデマや捏造も厭わないスタンスだったのです。
ただでさえ、真偽不明の情報の多い2ちゃんねるです。それに輪を掛けて恣意的な見せ方をするのですから、問題が大きくならないはずはありません。
この問題をさらに大きく広げたのがまとめサイトの乱立の歴史です。と言うのは、まとめサイトの管理人はボランティアでサイトのまとめを行っていたわけではないからです。
面白半分でデマ情報を流す管理人もいますが、多くは「お金が目的」です。サイトのユーザー数が増えれば増えるほど、閲覧数に応じて報酬が発生していたのです。
報酬が得られることで、参入者は増える一方、まとめサイト乱立に拍車を掛けます。人間、お金のためならば、とことん汚くなれる人間はどの歴史も一緒です。
お金目的のサイト管理人は、閲覧数増加を求めて過剰なタイトルで煽り、さらにそれを面白半分のユーザーが拡散する、負のスパイラル状態に陥ったのです。
2014年2月19日未明から午前にかけて2chがサーバーダウンしました。その時は、サーバー攻撃を受けているとの報道もありましたが、調査を続けていくうちに、新体制への移行、運営費の問題、運用ルールの変更などが起きました。
分裂の要因とされるのは、8月におきた個人情報の流出事件です。
この事件により、書き込み者の特定や、それに伴う過去ログViewerへの返金請求、2ch経営・運営費の混乱などが起こりました。
また、大きな事件として、2ちゃんねるのレス削除の担当者(通称:削除人)が、2chにログインできなくなりました。
削除人が解雇されたのではないかという記事も散見されました。
一時的に、削除スレッドや、弁護士経由による「裁判所の掲載禁止の仮処分」による削除申請が行えない状態に陥ったことがありました。
以前は、2chへの誹謗中傷、名誉毀損の書き込み、プライバシー侵害書き込みの有効な対策として、「2ch埋め立て」という手法がとられてきました。
これは、2chはレスを1000までしか書き込みができない、1000まで書き込みがされると、スレッドは過去ログとなり無料では見られないという仕様を利用したものでした。結果的に、過去ログに落ちると、スレッドタイトルしか検索エンジンに認識されないため順位を落としたり、アクセス数を減らすことができました。
誹謗中傷対策において、2ちゃんねる埋め立ては、問題が多いものの誹謗中傷業者と称する業者を中心に有効とされた対策手法でした。
しかし、2ch.netの新体制への移行により、「過去ログ」が無料公開され、事態を悪化させました。
2017年10月1日をもって、インターネット掲示板の草分け的存在であり、社会現象にまでなった、「2ちゃんねる(2ch.net)」は、その18年間の歴史に幕を閉じることになりました。
※変更理由として、JIM氏はX(旧Twitter)上で、西村博之氏が、2016年の裁定後も妨害を受け、利用者やボランティアに多大な負担をかける自体になったと主張しています。
変更理由は、上記の2点であると考えられます。
このような歴史をたどって、2022年現在、2ch.netは消滅し、5ちゃんねる(5ch.net)と新2ちゃんねる(2ch.sc)が存在することになりました。
上記のように隆盛を極めた2ちゃんねるは幕を閉じ、実質コアユーザーは5ちゃんねるに移動しました。
また、誹謗中傷や名誉毀損が繰り返し行われてきましたが、それらが社会問題化するなかで、司法も重い腰をあげるようになりました。
その陰には言われの無い中傷を受けた人たちの行動と、サポートした専門家の方たちの動きがあったことは忘れてはいけないでしょう。
結果、現在は裁判所の判例などもあり、(削除要請に応じるなど)徐々にですが、負の問題は改善の方向を向いていると言えます。