質問箱(peing)の誹謗中傷された場合の対処方法・犯人特定方法

質問箱

SNSでの誹謗中傷は深刻な問題です。匿名質問サービス質問箱(peing)でも悪質な投稿が後を絶ちません。被害にあった場合、適切な対処が重要です。本記事では、peing上の誹謗中傷に対する具体的な対処法と、加害者特定の可能性について解説します。

質問箱Peingでの誹謗中傷トラブルとは

X(旧Twitter)やインスタグラムと連携して利用する質問箱のPeingが人気です。

しかし、人気の影では、誹謗中傷被害が増加しているという報告もあります。そこで、質問箱Peingの誹謗中傷事例や、被害にあった場合に名誉毀損で訴えること、開示請求することは難しいのか、可能なのかをみてきましょう。

質問箱Peingとは

X(旧Twitter)やインスタグラムに他のアプリを連携して利用する方も増えてきました。その中でも人気なのが、質問箱のPeing(ピング)です。

Peing のサイトにアクセスし、X(旧Twitter)やインスタグラム のアカウントでPeingを連携すれば「質問箱」を設置し、後は質問が投稿されるのを待つだけで、いろんな人から質問を受け付けることができるのです。

Peingで誹謗中傷被害の事例とは?

Peingで嫌がらせ・誹謗中傷被害に悩まされる人もいます。具体的には以下のような内容の誹謗中傷をされた方がいます。

  • 「バカ」「あほ」などの悪口を言われる
  • 自身のツイートやインスタグラムの投稿を叩かれる
  • 下ネタなど、不快な質問がやってくる
  • 殺害予告、危害を加える内容が書き込まれる

もはや質問ではなく、質問箱の設置者を非難するような内容が書き込まれることがあります。質問箱は匿名のため、設置者は誰が誹謗中傷を行っているのかがわからず、嫌な思いをします。

少し気を悪くするような類いのものであれば、無視することで対応できますが、「殺す」「危害を加える」などの内容が書き込まれたら放置しておくのは難しくなります。フォロワーと楽しくコミュニケーションを取るために質問箱を設置したのにもかかわらず、このような被害に遭うのは悲しいことです。

質問箱Peingでの誹謗中傷行為は名誉毀損にあたるのか?

質問箱Peingで悪口などの誹謗中傷が書き込まれた場合、これらは法的にみて名誉毀損罪や侮辱罪などの罪になるのでしょうか? また、警察に通報することは可能なのでしょうか。

Peing上の悪口は、名誉毀損罪や侮辱罪の成立が難しいか

Peingで悪口など誹謗中傷が書き込まれたら不快な思いをしますよね。ひどいケースの場合は、警察に通報したり、弁護士に損害賠償を請求したいと考えるでしょう。しかし、これは法的にみて可能なことなのでしょうか。

ネット上の悪口が、刑法上「名誉毀損罪」や「侮辱罪」にあたる可能性のある行為であることは聞いたことが多い方がいるかもしれません。

名誉毀損罪が成立する条件

名誉毀損罪が成立するためには、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」ことが必要です。

具体的には、不特定また多数の人が見ることができる状態で、他人の名誉を低下させるような言動をした場合に、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金(刑法230条1項)」に処される可能性があります。名誉毀損に当てはまる場合は、民事でも損害賠償請求が可能となります。

このように説明すると、Peing上の悪口などの誹謗中傷も名誉毀損罪に当たりそうな気がしますが、実際は難しいでしょう。

というのも、構成要件である「公然と」を満たさないからです。Peingの質問に関しては、質問箱の設置者しか基本的に閲覧することはできません。そのため、不特定または多数の人の前で名誉を貶めるような行為をしたとは言えないのです。

侮辱罪が成立する条件

では、侮辱罪についてはどうでしょう。

侮辱罪は「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する(刑法231条)」と規定しています。名誉毀損罪との違いは「事実の摘示」が必要ないことです。

「お前はバカ」という暴言は、事実を摘示したわけではないため、侮辱罪となります。

しかし、侮辱罪においても「公然性が必須」のため、質問箱のケースでは侮辱罪も成立しません。

ちなみに、1人に伝えた場合であっても伝搬性があれば名誉毀損罪・侮辱罪が成立可能ですが、本人が名誉を貶める発言等を伝播することはありませんので、公然性の要件を満たすことは難しいでしょう。

このように、Peingで悪口が書き込まれた場合には、残念ながら名誉毀損罪、侮辱罪は成立しません。

脅迫なら警察沙汰に!成立する可能性も

質問箱で悪口を言われても、名誉毀損罪や侮辱罪の成立は難しいと言えます。しかし、内容によっては別の罪が成立する可能性があります。

例えば、「お前を殺しにいく」、「家族に危害を加える」という内容のものであれば、脅迫罪にあたりうる発言です。

脅迫罪は、刑法221条1項に規定されており、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定めています。身の危険や財産の危険を感じる内容であれば、質問箱に投げられた発言であっても警察に通報できる可能性があり、警察沙汰になる可能性はあります。

注意すべきは、脅迫罪の対象です。ご自身に対し脅迫行為があった場合はもちろんですが、ご家族に向けられた発言であっても大丈夫です。しかし、恋人や友人の場合は脅迫罪の対象外となりますので、覚えておきましょう。

ちなみに、脅迫罪の場合は害悪の告知で既遂に至ります。つまり、質問箱に「殺しに行く」などと脅迫的な言動をしただけで、実際に行為に及んでいなくとも「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処される可能性があります。

友人同士でふざけて誹謗中傷を行うというケースもありますが、本人が傷付けば大きな事件に発展することもあるということを理解しておいてください。

質問箱Peingで誹謗中傷被害にあった場合の対処法

質問箱Peingで誹謗中傷被害にあった場合にできることをお伝えします。

悪口はブロックすること

不快な質問が投げ込まれたら、質問を削除してほしいと思います。実際のところ、Peingでの削除は可能なのでしょうか?

利用規約によると、質問の削除に関しては通常対応していないようです。すでに回答済みの場合や回答内容に個人情報が記入されている場合は質問と回答の削除を実行してもらえます。また悪口や誹謗中傷などの嫌な質問があれば、質問ページの各質問の左側に「通報する」ボタンがあります。これにより運営に通報することが可能であるため、悪口のような内容が書き込まれたら、通報してみましょう。

何度も同じような質問が投げかけられ、同一人物かなと思う場合は、質問をブロックすることも可能です。相手が誰かを知ることはできませんが、ブロックによって誹謗中傷が減る可能性があります。

運営元に開示請求・利用停止依頼を行う

ブロックで対応しても、複数の人から誹謗中傷を受けている場合は誹謗中傷行為が続く可能性があります。また脅迫事案の場合は、相手を特定する必要があるでしょう。この場合は、質問箱Peingの運営元に対し誹謗中傷行為をする人の利用停止を求めたり、任意でIPアドレスの開示請求をすることができます。

利用規約でも、本人または代理人から個人情報の開示・訂正・利用停止の請求があった場合には、速やかに対応することを明示しています。また、同社のプライバシーポリシーでも、第7条の「個人情報の開示・訂正・利用停止」においても、support@peing.netにて個人情報の開示・訂正・利用停止の請求を受け付けるとしているため、誹謗中傷行為を繰り返す人の利用停止や個人情報の開示請求をすることは可能と考えられます。

運営元に、利用停止や開示請求を行う場合は、本人か代理人しかできないため注意が必要です。

弁護士に相談し、犯人を特定して損害賠償を請求する

個人で相手の個人情報や利用停止を求めても、応じてもらえなかった場合には弁護士を通じて利用停止や個人情報の開示請求を行うことも可能です。個人情報の開示については、任意開示という点で本人がお願いする場合と同様ですが、弁護士が代理することでプレッシャーを与えることができます。仮にそれでも応じてもらえなかった場合には、IPアドレス開示の仮処分を裁判所に申し立てます。

脅迫行為を行った相手のIPアドレスを特定できたら、プロバイダに対し発信者個人情報の開示請求を行います。無事情報が開示された場合には、個人に対し損害賠償請求を行います。誹謗中傷行為の場合、質問箱での事例は名誉毀損として認められませんが、度重なる誹謗中傷で精神が疲弊し病院に通ったケースなどでは、不法行為に基づく損害賠償請求も可能と考えられます。また脅迫行為も同様に損害賠償請求が可能です。

脅迫行為の場合は、警察に通報することも考える

脅迫罪が成立するような内容を質問箱で受けた場合には、警察に通報することも考えましょう。特に何度も危害を加えるような内容を投稿してきた場合は危険です。

質問箱Peingの運営の回答でも、「度を超えた誹謗中傷や何らかの犯罪に結びつく行為」については、警察・捜査機関の協力を求めるようにとの内容が書かれています。警察からの協力要請については積極的に応じる姿勢のようですので、警察に通報することも検討してみてください。

質問箱Peingで誹謗中傷を受けたらまとめ

今回は、質問箱Peingで誹謗中傷を受けたらというテーマで解説してまいりました。

法的対処をきちんとすることで、相手が同じようなことを繰り返すのを防ぐこともできます。SNS上で過度に嫌な思いをしたら、弁護士もしくは警察に依頼して解決しましょう。

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弁護士相談Cafe編集部
本記事はネット誹謗中傷弁護士相談Cafeを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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